中国でまたまた偽粉ミルク事件発生。
偽粉ミルクを飲んだら頭がでっかくなった!?
儲け主義の被害を受けるのは乳幼児だ。
湖南省彬州市永興県で乳児に、
湿疹や体重の低下、頭が大きくなるなどの症状が相次ぎ、
永興県内のベビーショップで販売していた粉ミルクに、
消費者詐欺の疑いがあるとして、
永興県市場監督管理局や県衛健局などで構成される専門チームが調査に入ったと報道されました。
[rfi]湖南再现“大头娃娃”事件 国家市场监管总局:彻查、从重处罚
拙訳
[rfi]湖南省で偽粉ミルク事件がまた発生! “大头娃娃”事件
rfiはフランスに拠点を置く中国語サイトです。
記事によると、被害を受けた乳児の親は、
ベビーショップで”牛乳アレルギー乳幼児むけ”として売られていた粉ミルクを購入していたそうす。
ところがこれは粉ミルクではなく、
“倍氨敏”と言う商品名の、アミノ酸入りの固形飲料だったことが発覚しました。
商品には固形飲料と表記されているので、商品偽造ではないとのことですが、
ベビーショップでは”粉ミルクコーナー”で売られており、
ショップ側が客を騙して売っていた模様です。
この事件を報じるテレビニュースがYouTubeにアップされていました。
湖南又見大頭娃娃 顱骨變形不自覺拍頭
0:30の映像で”奶粉区”とあるのは”粉ミルクコーナー”の意味です。
0:37で缶の中身が見えますが、粉ミルクだと言われたら信じて買うでしょう。
rfiの記事によると、“倍氨敏”の仕入れ値は粉ミルクよりも安く、
しかも牛乳アレルギー幼児向け粉ミルクとして売ると高く販売できるため、
中身を偽って売っている店は多いとのことです。
利益第一主義で、安全安心は後回しなんですね。
偽粉ミルク事件というと、12年前の2008年には、
メラミン入り毒粉ミルクが問題になりました。
この時はタンパク質含有量の少ない原乳にメラミンを入れると、
検査で合格すると言うことで、多くの搾乳業者が原乳にメラミンを入れて出荷し、
その原乳で作られた粉ミルクを飲んだ200万人以上の乳児に腎臓異常が発現し、死者も出た事件でした。
この事件の後は日本でも食品中のメラミン量を厳しく検査するようになったそうですが、
メラミン混入がメーカーで発覚した後、回収に乗り出しましたが、
販売店側にはメラミン混入を知らせなかったばかりか、
混入量の比較的少ない粉ミルクは販売を続け、被害を広げました。
全品回収しなかったのは、利益を優先させたためだと言うことです。
この事件をきっかけに中国内で粉ミルクへの不信が高まり、
日本や香港で大量に粉ミルクを仕入れて中国で転売する人が増えました。
私も日本や香港に出張するたびに、同僚から粉ミルクを買ってくるように頼まれました。
粉ミルクは軽いけど嵩張るので、4缶もキャリーバッグに入れると
自分の荷物が入らなくなってしまい往生した覚えがあります。
メラミン入り粉ミルク事件の前にも、
白く着色しただけの粉末を粉ミルクとして産婦人科病院に納入する事件があり、
この病院の新生児全員が栄養失調になる事件もあり、
私の知り合いの中国人は。ほぼ全員が中国製粉ミルクを信用していないと言う事態になっています。
私が深圳に赴任していた頃も、
既に粉ミルクは一人2缶までと制限がありましたが、
子供ができたばかりの同僚や取引先の人たちから、
香港で粉ミルクを買ってくるように頼まれたことが何度かあります。
実際、深圳からきた大陸中国人が、香港で大量に商品を買い込み、
中国内で転売する”香港代购”は盛んに行われていて、
粉ミルクも主力製品の一つになるくらいに、
中国人は中国製ミルクを信用していません。
これが香港人が中国人を嫌う理由の一つなので、
私もその片棒を担いでしまったことは心苦しいのですが、
同僚や友人の赤ちゃんを見せられると、
この子に中国製ミルクを与えるなどと言う”非人道的”なことはできないと思ってしまいます。
粉ミルクの持ち込みが一人2缶までと制限されてからは、
”香港代购”での粉ミルク”輸入2は減っていると聞いてますが、
今回の湖南省の偽粉ミルク事件で、
中国内の日本製粉ミルク需要は増えるでしょうね。
在外華人が今度は粉ミルクを買い占めるのではないかと心配です。
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