「SARSの英雄」鐘南山が第二波流行を警戒するよう警告
武漢での流行隠しを暴露するも、
中国内では報道せず!
鐘南山は2003年のSRAS禍では共産党と”闘い”ながら、
SARS感染拡大を押さえ込んだ”SRASの英雄”と称えられる医師。
中国工学院の院子でもあり、新型コロナ肺炎でも
その鐘南山がアメリカCNNのインタビューでの発言を、
アメリカに拠点を置く中国語メディア多維新聞が報じました。
[多維新聞]【新冠肺炎】钟南山警告二次爆发风险 曝武汉地方曾隐瞒疫情
拙訳
[多維新聞]新型コロナ肺炎 鐘南山二次流行のリスクを警告 かつての武漢の流行隠しを暴露
鐘南山は、最近数週間で、東北部の黒竜江省や吉林省さらに武漢でも
新型コロナ感染症の流行が広がっていることを認め、
多くの中国人は新型コロナウイルスの抗体をもっていないので、
未だにウイルスのに感染しやすいと述べています。
都市封鎖の状況になっており、
武漢市内でも一部の地域が封鎖されているので、
第二波の流行が始まっていると言って良いでしょう。
ここで懸念されることが、
正しいデータが公表されているのかどうかと言うことです。
鐘南山は昨年12月に、新型コロナ感染症の重要な情報を封鎖したことを認めていますし、
1月6日から17日まで武漢政府が新型コロナ感染例を全く報告しなかったと暴露しています。
これを聞いてしまうと、新型コロナ感染症第二次流行している
正しいデータを隠すことなく発表しているのか心配になります。
中国の公的医療関係機関の高官には、
「法律的には疫病の感染者、感染が疑われる患者は出たら、
報告するように規定されているが、
政府機関では執行しているかどうか管理できない」
との発言に見られるように、地方政府が隠すことは有り得るとしてます。
中央政府だって隠すことは有り得るんでしょうね。
また、新型コロナウイルスの発生源については、
武漢ウイルス研究所では無いと強調してます。
中国共産党機関紙の人民日報でも
鐘南山のインタビューのことは伝えてますが、
[人民日報]钟南山:中国尚未建立起新冠免疫 警惕第二波疫情
拙訳
[人民日報]鐘南山:中国は新型コロナの免疫を未だ確立していない 第二波の流行を警戒
こちらの記事では新型コロナ流行の情報隠しについては全く触れてません。
アメリカは新型コロナウイルスの発生源は中国と言っていましたが、
最近はトーンダウンした感があります。
ただ、アメリカも含む世界の趨勢は。
中国が新型コロナ流行初期に情報を隠したことが、
世界的なパンデミックを引き起こしたと中国の責任を追及しており、
鐘南山のインタビューはそれを裏付ける発言になっています。
今後も世界中が情報隠蔽について中国を責め続けるでしょうが、
人民日報では情報隠蔽に触れていないように、
中国国内では情報隠蔽はうやむやにされていますし、
武漢市政府が勝手にやったことと印象付けられています。
中国の人たちにしてみれば、
世界中が中国を攻めるのはただの言い掛かりにしか見えないでしょう。
欧米では中国への敵意が広がっているようですが、
逆に中国では欧米への反感が広がるのでは無いかと心配です。
<参考ニュース>
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