ファーウェイ排除がほぼ全ての公共機関に拡大
米中対立に日本も参戦の合図か?
米中貿易戦争、新型コロナウイルス大流行で、霞んだ感がありますが、
次世代通信規格5Gに絡みファーウェイの排除も米中対立の一つです。
アメリカはファーウェイ排除に積極的ですが、
他の国々はアメリカ同盟国であっても、
あまり積極的には排除に動いて来ませんでした。
日本もファーウェイ排除は限定的でしたが、
今週唐突(?)に独立行政法人と個人情報を取り扱う指定法人に対して、
ファーウェイなど中国製通信機器の使用を制限する政策を発表しました。
改定される調達ガイドラインに追加される政府公共機関は96箇所あり、
その中には年金機構や産業技術研究所などが含まれています。
ESM Chinaも日本の新聞を引用して伝えていました。
[ESM China]落井下石?日本拟再加强封杀华为
日本語訳
<ESM China 日本語訳>日本はファーウェイの封殺を強化するつもりだ! 日本は井戸に落ちた人に石を投げるのか?
記事の題名に「落井下石」という四字熟語を使ってます。
「落井下石」は井戸に落ちた人に向かって石を落とすという意味で、
人の弱みにつけ込んでさらに痛めつける意味になります。
題名からも「弱っているファーウェイをさらに苛めるのか」
というニュアンスが伝わって来ますね。
記事の中にあるように、カナダで拘束されているファーウェイCFO孟晚舟に対して、
カナダの高等裁判所が審議継続を決め、カナダでの拘束が継続することになったのが5月28日でした。
日本がファーウェイ排除強化を発表したのと同じ日です。
ファーウェイCFO孟晚舟については、最近日本で報じられることはほとんどありません。
中国内では時々報じられてはいますが、かつての熱気はありません。
私も2ヶ月前に孟晚舟の近況を報じた中国内の記事を紹介したことがあるのですが、
ほとんど誰にも見向きもされませんでした。
みなさん関心がないんでしょうね。
中国内でも関心ないようなので当然ですね。
でも、孟晚舟はファーウェイCFOであり、CEO任正非の娘ですから、
いろんな機密事項を知っているはずです。
アメリカに引き渡され尋問を受けたら、その証言が与える影響は
ファーウェイだけじゃなく、国家機関におよぶでしょう。
もちろん中国だけじゃなく、欧米日韓にも。
話を元に戻すと、アメリカ商務省はファーウェイに対して
禁輸処置を強化すると発表したのが5月15日でした。
外国で製造した半導体でも米国製の製造装置を使っていれば
ファーウェイに輸出できなくなる処置ですので、
ファーウェイにとって大打撃になるのは必至です。
あれから2週間経って、日本のファーウェイ規制強化の報道です。
裏で連動しているんでしょうね。
ESM Chinaではハンギョレ新聞を引用して
日本が米国の反ファーウェイ陣営に再び加わった事を象徴していると考えている」
と言っていますが、
安倍首相が「新型コロナは中国から始まった」と発言したことも考えると、
<日本が米中対立に米側として参戦した>
と考えるのが普通でしょう。
私個人の意見を言えば、
ホットな武力衝突は望みませんが、
中国共産党を「懲らしめる」必要はあると思ってます。
国際社会の猛烈な反対を押し切って香港国家安全法導入を決めたこと。
新型コロナ対応に世界中が追われている隙に、南シナ海に行政区を設定したこと。
尖閣諸島周辺の領海侵犯がエスカレートし、日本行戦を追いかけるようになったこと。
台湾武力統一の声が大きくなって来ていること
サッと挙げただけでもこれだけあります。
習近平が調子こいてるのは間違い無いです。
台湾武力統一に関してですが、
中国には「反分裂国家法」があって、
台湾武力侵攻の法的根拠になっています。
最近「反分裂国家法」に関する記事が中国内で報じられ始めており、
「香港の次は台湾」に向けて着々と進んでいるように見えます。
ちなみに香港国家安全法導入は、
香港基本法に国家安全法を制定することが明記されていて、
今回の全人代の決定も法律に則った行為です、少なくとも中国共産党にとっては。
次の目標の台湾統一に向けて、
武力侵攻も止むなしとのコンセンサスを得ようとしているのでしょう。
「反分裂国家法」に関する記事は間も無く紹介できるよう準備中です。
<参考ニュース>
yellowbigwizard.blogspot.com
中国語ニュースの翻訳版をこちらで掲載中
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