黄大仙の blog

何にでも首を突っ込みたがる好奇心旺盛なOJISANブログです。

中国では数週間ぶりの新型コロナ感染症での死亡はコロナ告発医師の同僚医師 中国はどう報じた

中国で数週間ぶりに新型コロナ肺炎による死者が出たと報じられた。

死亡患者は”黒顔医師”こと胡衛鋒医師は武漢市中央医院泌尿器外科副主任

新型コロナを最初に告発し当局から懲戒された李文亮医師の同僚

中国ではどう報じられたのか

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日本のメディアでの扱いが小さいので、少し説明が必要です。


重要なキーワードは

武漢市中央医院
李文亮医師
黒顔医師
胡衛鋒医師

です。
 
武漢市中央医院は新型コロナ流行の初期に患者が殺到した病院です。

そこに勤務する眼科医の李文亮医師が、

WeChat(中国版LINEの様なもの)で

SARSの様な症状の患者がいる」と投稿したのが、

新型コロナウイルスCOVID-19感染症の最初の報告と言われています。

昨年12月30日のことでした。

ところがこの通報は武漢市当局によって握り潰され、

李文亮は懲戒処分を受けました。

しかしその後も新型コロナは拡大を続け、

隠しきれなくなった中央政府が、新型コロナ感染症の流行と、

人から人への感染を認めたのが1月末の春節休暇直前のことでした。

このときすでに新型コロナに感染していた李文亮医師は、

懸命の治療の甲斐なく2月7日に帰らぬ人となりました。

このときは中国全土で追悼集会が開かれ、

政府が感染初期に情報を隠蔽したことへの非難から、

言論の自由を求める機運が高まりました。

中央政府は、情報隠蔽したのは武漢市政府と湖北省政府だとし、

それぞれの共産党書記を後退させ、

ネット上に流れていた関連する投稿や記事を削除することで、

言論の自由を求める機運は下火になり、

今ではほとんど忘れ去られました(少なくとも表面上は)
 
李文亮の武漢市中央医院の同僚の医師数名が、

新型コロナに感染して治療を受けており、

胡衛鋒医師もその中の一人でした。

胡衛鋒医師はECMOを付けた時期もあり、

病状は一進一退を繰り返していました。

治療中に投与された薬のせいだそうですが、

顔が真っ黒く変色し、「黒顔医師」の愛称で呼ばれる様になっていました。

ネットでも写真が公開されていますが、

メラニンによる地黒の黒さとは異なり、

”異様な黒さ”の顔は見ているのが悲しくなるほどでした。

黒顔で新型コロナ感染症の悲惨さを伝えてきた胡衛鋒医師が、

4ヶ月以上にわたる治療の甲斐なく6月2日に亡くなりました。
 
中国内ではこの件がどの様に報じられているのか、

特に李文亮医師との関連も含めてどう伝えられているのか知りたくて、検索してみました。

[人民日报海外网]武汉中心医院染新冠医生胡卫锋抢救无效离世 此前曾“脸部变黑”
翻訳版

世界のニュースに触れる 何が起きてるか: <人民日报海外网>武漢市中心医院の新型コロナに感染した胡衛鋒医師は手当の効果無く死亡した。以前は”顔が黒く変色した”

驚くほどあっさりとした記事です。

李文亮医師の名が出てくるのは、記事の最後に、

武漢市中心医院で亡くなった医師の一人として名前が上げられていただけです。

李文亮医師が亡くなったときの報道の仕方とは雲泥の差があります。

人民日報は中国共産党中央委員会の機関紙なので、

胡衛鋒医師の死が李文亮医師を連想して、

表現の自由を求める機運が再燃するのを恐れているのだろうと思います。


中国共産党のライバルアメリカ政府の運営する「美國之音」はどう報じているでしょうか。

[美国之音]武汉市中心医院“黑脸医生”胡卫锋因新冠肺炎去世
翻訳版

<美国之音>武漢市中心医院の”黒顔医師”胡衛鋒は新型コロナ肺炎で死去した。 - 黄大仙の blog


こちらの記事は短いながらも李文亮医師の件も触れていて、

この記事を読んだ読者(在外華僑、華人)に、

言論の自由を求まる機運を作り出そうとしているのかもしれません。

<参考ニュース>

「李文亮広場」 米中対立はここにもあった! - 黄大仙の blog

鐘南山が第二波流行を警戒 武漢の流行隠しを暴露 - 黄大仙の blog

世界のニュースに触れる 何が起きてるか: [徳国之声]中国の”無能”が”世界的な大量殺戮”を引き起こした 中国語ニュースの翻訳版をこちらで掲載中
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