自分の戸籍を調べたら、
自分が結婚していた。
子供もいて、その後に離婚していた。
こんなミステリー小説のようなことが起きた。
真相は誰の身にも起こりうる出来事だった。
話を続ける前に、中国での結婚の手続きについて説明しておきます。
中国での結婚の手続きは日本とは大きく異なり、
民政局婚姻登記所に申請します。
どこの登記所でもいいわけではなく、
戸籍のある市の登記所で申請します。
(普通は男性側の戸籍地で手続きをします)
2人で婚姻登記所に訪れて、
2人で撮影した写真を添えて申請書を提出し、
受理されると、提出した写真を貼付した結婚証が3部作成され、
1部は婚姻登記所に保管され、残り2部は当事者に交付されて、
めでたく結婚成立となります。
「2人で戸籍地にある婚姻登記所に行き申請し、結婚証を交付される」
これが日本と違うところになります。
離婚の手続きは結婚を申請した婚姻登記所に行き、
2人で一緒に申請します。
申請書に添付する写真はそれぞれ単独で撮影した写真になります。
申請が受理されると写真を貼付した離婚証が交付されます。
これで晴れて離婚成立です。
「えらく詳しいな」と突っ込まれそうですが、
そりゃぁ経験者ですから詳しいですよ。結婚も離婚も。
今でも手元に結婚証も離婚証も保管してます。
中国の結婚証離婚証を日本で持っていてどうすんの?と言われればそれまでですが。
さて、話を元に戻して、
すでに結婚していると言われた女性、記事では王芳さんとなってました。
王芳さんが婚約者と婚姻登記所を訪れた時には、
彼女のお腹には子供がいました。
結婚が認められないと子供は私生児となり、
中国では戸籍が作れません。
係員に食い下がって記録を再調査してもらうと、
王芳さんが結婚しているのは事実で、
手続きは江西省九江市修水県で行われたとわかりました。
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王芳さんが行ったことのない地域です。
すぐに婚約者と江西省九江市の婚姻登記所に向かい
保管されていた結婚証、離婚証の写真が、
王芳さんとは違うということがわかり、
九江市の婚姻登記所担当者も認めましたが、
婚姻無効の請求は拒絶されてしまいました。
理由は「婚姻登記は行政確認の行為で、婚姻登記の審査は基本的には形式的な審査である(中略)、婚姻登記所は任意に登記を取り消す権限はない」ということでした。
結婚証の写真と王芳さん本人の容貌が違うことについても、
「証明書写真と実際の本人の容貌が少し違うのはありうること。特に女性の場合はメイクによっても印象が大きく変わるので、写真と実際の容貌が違うのはよくあること」
結局婚姻登記所の判断では結婚証の取り消しはできず、
裁判所の判決があれば可能だと助言されました。
結婚証の無効を訴える裁判が、今年6月9日に始まりました。
昨年12月12日に発覚した「偽結婚」事件は、
半年が過ぎ、ようやく解決しそうです。
では、なぜこんなことが起きてしまったのでしょうか?
王芳さんが思い当たるのは、
2011年に身分証を紛失したことがあり、
それを誰かに拾われ、悪用されたのではないかとのことです。
紛失した身分証は有効期限が2017年で、
紛失しなければ2017年に更新が必要でした。
何者かが王芳さんの身分証で偽結婚したのは2012年、
離婚したのが2017年のことでした。
身分証、日本だとマイナンバーカードや免許証になりますが、
これを紛失したり、盗まれて悪用されることは十分に考えられることです。
日本では知らないうちに結婚していることはないでしょうけど、
銀行口座を開いたり、ローンを組まれたら大変です。
マイナンバーカードや免許証の管理はしっかりしましょう。
暗証番号を覚えていますか?
免許証には2つの暗証番号がありましたよね。
余談ですが、王芳さんの身分証を盗用した謎の女性、
ここでは冰冰さんと呼びます。
冰冰さんはどのような女性だったのでしょう?
王芳さんの名を語って結婚し、子供を産んで、離婚した。
ローンを組んだ形跡はあるものの、自分で返済しています。
人を陥れようとする極悪人には見えません。
ここからは私の推測に過ぎませんが、
冰冰さんは戸籍のない黒子(Hei zi、ヘイツ)だったのではないでしょうか。
王芳さんの住む温州市かその周辺の農村地帯に住んでいたと思います。
中国では長く続いた一人っ子政策のために、
2人目以降が生まれても出生届を出さずに黒子にしてしまう例が多くありました。
2人以上の子供を生むと罰金を課せられるだけでなく、
最初の子供に受けた様々な助成金や奨励金も返却しなくてはいけないからです。
黒子の数は2億人とも3億人とも言われています。
特に農村地域に多くいると言われています。
黒子は身分証がないので結婚することも、就職することも、
飛行機や鉄道に乗ることもできません。
スマホを持つことも不可能です。
どうしても子供が欲しかった冰冰さんは、拾った身分証を使って
温州から遠く離れた江西省九江市までいき、
地元の男性と結婚して子供を儲け、
身分証の期限が切れる前に離婚して江西省九江市を離れたのだろうと思います。
江西省九江市を離れて、どこに行ったのでしょうか?
私は温州周辺の農村地帯に戻っていると思います。
拾った身分証の期限が切れれば、元の黒子に戻ります。
身寄りのない土地では暮らせませんので、
家族や親戚のいる地元に戻るしかないだろうと思うからです。
冰冰さんはきっと穏やかに暮らしていることでしょう。
子供はどうしているのでしょうね?
子供は戸籍があるはずなので、学校に通いながら、
冰冰さんと楽しく暮らしているのでしょう。
冰冰さんのことは記事には全く語られていないため、
想像をたくましくしてみました。
あなたはどうのように思いますか?
+++澎湃新闻の記事+++
[原題]<澎湃新闻>再现“被结婚”:温州姑娘领证时发现已“结婚、离异、有孩”
[邦訳]<澎湃新闻>「被結婚」の再現:温州女子が証明書を取ったとき、自分がすでに「結婚し、離婚し、子供もいた」ことを知った
<<原文のURLは下にあります>>
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浙江省温州市蒼南県の90年代生まれ(九零後)の女性王芳(仮名)は、江西省永修県裁判所で訴訟を起こしている。裁判所に対して、江西省修水県民政局婚姻登記所が処理した「王芳」と修水県黄港鎮の郭某某との婚姻登記を取り消すように訴えたものだ。
「私は結婚したこともなく、離婚したこともない、郭某某も知らないし、そもそも”修水県黄港鎮”を聞いたことがない。」と王芳は訴えた。昨年12月12日に彼女と婚約者が婚約者の戸籍地である温州瑞安市民政局婚姻登記所に結婚の登記に行った時に、彼女は江西省修水県ですでに結婚し、離婚したことになっていると知らされた上に、再婚するのなら離婚証の提出が必要だと言われた。
王芳は、2011年に温州市で自分の身分証をなくしたことがあることを思い出し、「誰かに拾われたかもしれない」と語った。
「私は妊娠5、6ヶ月で、もし判決が遅れると結婚証が発行されず、子供の出生証に影響するかもしれない」6月24日に王芳は澎湃新闻に語った。「私の身分を使った女がこのまま確認できなかったら、隠れた危険があるのではないかと心配になる。」
身分証紛失して8年後に「結婚させられたこと」が発覚
昨年12月12日、王芳は婚約者と温州市瑞安市婚姻登記所に結婚証の申請をしたところ、係員が情報を審査した後に、係員から彼女がすでに結婚しており、その後離婚している。もし再婚するのなら離婚証を提出するように告げられた。
「私は完全に無知でした。彼らにもう一度調べてもらったが、結果は変わらなかった。」と王芳は語り、「私は結婚したことはありません。でも民生システムの情報では確かに私は結婚し、離婚していました、手続きはともに江西省九江市修水県黄港鎮婚姻登記所で行われたことを示していました。」
「2011年に私は温州市で身分証を紛失し、その身分証は2017年に期限が切れました。失くした翌日に、私は蒼南県に戻り、紛失届と再発行手続きをしました。誰かが私の身分証を拾った可能性があります。」と王芳は語った。
瑞安市婚姻登記所係員は王芳に、もし身分証情報が不正に使用されたのなら、修水県婚姻登記所に登記取り消しを請求できると告げた。その夜、彼女と婚約者は修水県に行き、翌日婚姻登記所で自分の登記情報を調べ、民生部門の捺印のある「結婚登記審査処理表」と「離婚登記処理表」などには、王芳が2012年に修水県黄港鎮郭某某と結婚し、2017年に感情的不和により離婚し、離婚時に女児がいることが示されていた。
「現場の係員は私の外見と、結婚証、離婚証の”王芳”の写真の違いがわかりましたが、私の登記取消請求は拒絶されました。」王芳は澎湃新闻に語った。
修水県婚姻登記所の担当者は6月24日に澎湃新闻に対して、調査の結果では、結婚·離婚の登記人に明らかな「婚姻登記業務規則」違反行為はなかったと述べた。彼は、婚姻登記では身分証の写真と本人の容貌にも差異があり、特に女性の場合に写真と実際との違いは、比較的一般的にあると述べた。婚姻登記は行政確認の行為で、婚姻登記の審査は基本的には形式的な審査であるため、法律は婚姻登記機関に実質的な調査権を与えていない。登記員は現存の技術的条件のもとで、操作規範の要求に従って、合理的な審査の義務を果たしている。さらに、婚姻登記所は任意に登記を取り消す権限はなく、「だから王芳さんには裁判所の判決を通して身分情報の不正使用を確認してもらい、裁判所の判決が確認できれば、婚姻登記所はすぐに取り消すことができる。」と語った。
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不正登記者の所在は不明
昨年12月13日、王芳は修水県警察に通報し、警官は黄港鎮で婚姻登記情報の婚姻相手の男性郭某某を探し当てたが、郭某某は離婚後は前妻と連絡をしておらず、どこにいるのか知らない、前妻が他人の身分証を不正に使っていたかどうかも知らないと語った。
王芳は修水県裁判所に行き、県民政局婚姻登記所を訴え、婚姻登記記録の抹消命令を求めたところ、行政訴訟は近くの永修県で受理されると知らされたために、すぐに永修県裁判所で訴訟を起こした。
今年3月初めに、王芳の弁護士は修水県婚姻登記所に「弁護士書簡」を送り、登記記録の取り消しを請求した。修水県民政局は3月20日に、当事者が虚偽の身分情報を用いて得た結婚証は、その婚姻の有効性の確認は司法の権限に属しており、最高人民裁判所の関連する司法の解釈と規定は、当事者の結婚登記手続きに瑕疵があり民事訴訟の提起によって結婚登記の取り消しを主張した場合、法律に基づいて行政審査を申請したり、行政手続を開始したりすることができると告知した。
同時に当事者は、故意に身分情報を不正使用した権利侵害者に民事訴訟を起こすことができる。当事者個人の申請によって民生部門が婚姻登記を取り消すこと許可する法律、法規、作業規定は無く、裁判所の登記取り消しの判決を受けた場合のみ、婚姻登記機関はシステム内に判決番号を記載し、偽造を示し、当事者の婚姻状況を以前の未婚またはその他の状況に回復することができる。
6月9日に王芳が修水県婚姻登記所を訴えた第一審が開廷した。澎湃新闻は24日に裁判所から聞いたところによると、裁判所は婚姻登記の指紋、筆跡を王芳本人のものと比較し、身分情報を不正に使用されたかどうか判断するとのことであった。
安全のため、王芳は自分の信用情報記録を調査したところ、2015年11月に温州永嘉県で、彼女本人の申請ではない2000元のオンラインローンがあることが判明した。その数ヶ月後には誰かがローンを精算していた。王芳はこれも彼女の身分を不正に使用した誰かの仕業ではないかと疑っている。
<環球網>再现“被结婚”:温州姑娘领证时发现已“结婚、离异、有孩”
http://www.zgsyb.com/news.html?aid=558546
+++澎湃新闻の記事+++