インド側に20名の死者を出した中印国境紛争。
ガルワン渓谷での衝突の後、
中国インド双方の国境での軍備増強が伝えられていたが、
7日になって中国軍が撤退を始めたとの報道が。
インド軍の背後に見え隠れした米軍の姿に恐れをなしたか?
中印国境地帯のガルワン渓谷で6月15日に起きた紛争。
中国インド双方に多くの死傷者を出した紛争の後、
インド側は前どのインド軍から選抜された精鋭部隊も殺し屋突撃隊が投入されるなど、
軍備増強の動きが活発になり、
インドは「殺し屋」突撃隊を中印国境に投入 中国の総合格闘家部隊に対抗 - 黄大仙の blog
中国側も公式には認めていないものの、
紛争地域への軍備増強が伝えられていました。
中国インド両国外相間ではこれ以上紛争を拡大しないと合意したが、
現場の状況は一触即発の状況では、と見られていました。
そのような状況下で、7月6日にインドのバックにいるアメリカ軍の動きが中国内で報じられました。
このブログの後半で紹介する百度新聞の記事では、
アメリカ軍は3つの動き(軍事行動)を起こし、インドの背中を押し、
軍事的な暴発を起こしかねないと報じています。
3つの動きとはどのようなものでしょうか?
(1)西太平洋地区へ3つの空母打撃群が集結
(2)P8A対潜哨戒機をインド軍への納入
(3)中距離ミサイルを日豪はじめアジアに配備
この3つの動きがインド支援のために行われているとしています。
順番に調べてみましょう。
(1)西太平洋地区へ3つの空母打撃群が集結
これは事実ですが目的は、中印国境紛争というより南シナ海でしょう
横須賀を母港とする空母ロナルドレーガン、
グァムを母港とする空母セオドアルーズベルト、
サンディエゴを母校とする空母ニミッツ、
3つの空母打撃群がインド太平洋地域に集結しました。
7月4日に南シナ海で合同演習を行なったことはブログでも紹介しました。
米軍空母2隻が中国艦隊と対峙 南シナ海で一触即発か? - 黄大仙の blog
この時にはセオドアルーズベルトが演習には参加しないで、
睨みを効かせていたのですね。
空母セオドアルーズベルトはこの後もインド太平洋に配備されるとのことですので、
空母ロナルドレーガンと2隻体制でインド太平洋を防衛することに張るようです。
3隻の空母ともに暴行を離れたのは、6月4日(ルーズベルト)と6月8日(レーガン、ニミッツ)と、
ガルワン渓谷での衝突(6月15日)以前のことなので、
「中印紛争でインドを支援するため」の空母派遣とは言えませんね。
空母打撃群の派遣は、南シナ海での中国牽制が目的だと思います。
中国は南シナ海に南沙区、西沙区設置し実効支配強める。日本は黙って見てるだけ? - 黄大仙の blog
(2)P8A対潜哨戒機をインド軍への納入
これも大体は事実ですが、、、
納入されているのはP8のインド海軍向けカスタム品のP8I対潜哨戒機です。
8機のP8I納入契約が結ばれたのが2009年で、
最初の1機が納入されたのが2013年です。
それ以後順次納入されているようです。
いずれにしてもがルワン渓谷の衝突よりも、はるか以前に納入が決まっていたことなので、
これも中印国境紛争とは関係が無い(薄い)と言えそうです。
P8I対潜哨戒機はインド海軍に配備されています。
(3)中距離ミサイルを日豪はじめアジア諸国に配備
「中距離ミサイルを配備した」事実を確認できませんでした。
昨年米露の中距離核戦力(INF)廃棄条約が失効して以来、
アメリカがアジア太平洋に中距離ミサイルを配備”したい”とした記事はありましたが、
実際に配備したという記事は見つかりませんでした。
中距離ミサイルは射程距離が3000~5000kmありますが、
着弾精度が最低でも150m程度あるので、
攻撃目標をピンポイントで撃つのは不可能です。
三峡ダムを攻撃目標にしても、
通常弾頭では1発で破壊することはできません。
中距離ミサイル配備の構想は昨年すでに有り、
まだ実施できていないので、中印国境紛争とは無関係です。
こうしてみると、中国国内向けの百度新聞の記事で挙げた、
米軍の3つの動きは中印国境紛争とは関係がないと言えます。
それではなぜこのような記事が出たのでしょう?
記事の日付を見ると7月6日でした。
翌日7月7日のAFPに中国軍の撤退記事が出ました。
何となく合点がいきました。
中国は軍を撤退させる口実が欲しかったのでしょう。
中国は繰り返す戦狼外交により世界中に敵を作り始めましたが、
南シナ海を実効支配し、香港を完全に掌握した今は、
次の目標が台湾統一になるのは自然なことです。
しかし民進党蔡英文政権が平和的統一を受け入れるはずがないので、
武力侵攻を考えているはずです。
中国の次の標的は台湾侵攻、祖国統一へ向けて《反分裂国家法》シンポジウム開催 - 黄大仙の blog
これから絶対に負けるわけにいかない軍事侵攻を起こす時に、
反対側の中印国境で紛争を起こしている余裕はありません。
そこで国境の軍備を撤退しておいて、
インド側の武力増強の口実を無くしておき、
台湾侵攻に集中したいのだと思います。
中印国境地帯から撤退が完了したら、台湾侵攻が。。。。
早ければ今年中(9月まで)に実行されると思ってますが、
予感が外れることを願っています。
以下が中国で報じられた記事の邦訳です。
+++百度新聞+++
[原題] <百度新聞>美军做出3个危险动作后,印度立即改变了态度,边境摆出开战架势
[邦訳] <百度新聞>米軍が3つの危険な動きをした直後、インドは態度を変え国境は開戦の姿勢を示した。
最近インド国境情勢の悪化により、米軍が3つの危険な動きをした後、インドは直ぐに態度を変えた。国境地帯に大量の兵力と装備を配備しただけでなく、インド国防相ラジナート· シン は、特別な時に対応するための裁量権を持つ最前線の司令官に火蓋を切る命令を発し、国境のインド軍があえて国境での戦争のために前線を張るのも不思議ではない。結論から言うとアメリカは遊びではなく、3つの動きでインドを勇気付けた。
米軍の3つの動きはアジア太平洋地区を対象としており、まず最初の動きは米軍が最近3艘のニミッツ級空母(*1)を西太平洋地区に集結させ、そのうち2艘空母はフィリピン海付近で軍事演習を行い、もう1つの動きは米軍がP8A海上哨戒機を8日連続で派遣し、大島西南海域にパトロール飛行を実施し、第三の動きは米軍が最近アジア諸国、日本やオーストラリアに中距離ミサイルを配備するようにに絶え間なく圧力をかけ続けていることである。
(*1)3艘の空母とはニミッツ、ロナルドレーガン、セオドアルーズベルト
アメリカ海軍が世界を制覇する主要兵器として、航空母艦はずっとアメリカ海軍の注目を集め、第二次大戦中に米軍は空母に頼って
太平洋戦争に勝って以来、米軍の空母建造はますます大きくなり、下あっくはますます高くなり、性能はますます先進的となり、現在アメリカ軍は合計11艘の空母を配備しており、そのうち10艘は米軍のニミッツ級空母で、この種の空母は満載排水量が10万トンを超え、70機の艦載機を搭載でき、総合的な作戦能力は、ロシア海軍の空母クズネツォフ
を遥かに超えている。
一般に言って、米軍は全ての海域に空母を配備しているため、同一海域に3艘の空母が配備されている状況は非常に稀であり、2つの空母打撃群の演習もとても珍しい行為であるが、最近のインド国境の情勢の悪化ののちに、米国海軍は3艘のニミッツ級空母は西太平洋に向かっただけでなく、そのうち2艘もニミッツ空母は双空母打撃群を形成して、海上軍事演習、制空権、制海権奪取演習、遠海補給など多くの内容を実施し、明らかにアジア諸国をターゲットにしている。
P8A対潜哨戒機は、米軍現役の最先端の対潜航空機で、この種の航空機の装備は一種の磁気探査装置で、海域の磁気探査を実施可能で、該当海域で潜水艦が活動中か否かロックし、潜水艦に対する威嚇は極大で、ジェットエンジンを搭載しているため、P8Aの速度はとても速く、以前に米軍は8機のP8A対潜哨戒機を販売し、現在はこの航空機をアジアでの活動に派遣し、明らかにインドを支援している。
上記2つの装備と比較すると、米軍が配備した中距離ミサイルの脅威はさらに大きく、射程距離1000~3000キロメートルの武器として、米軍の中距離ミサイルが日本とオーストラリアに配備されると、西太平洋海域で活動するその他の国家の戦艦に深刻な脅威を与えることができ、現在アメリカ軍のトマホーク巡航ミサイルは中距離ミサイルバージョンを試験中で、近い将来にアジア地区に配備される可能性がある。総じて、今回の米軍の3つの危険な動きはインド国境の緊張状況と時間的に一致しており、米軍のこの挙動は明らかにインドとの連帯を示すものであり、警戒を怠らないことが重要である。
<新浪軍事>中国提高警戒应战罕见暴雨 专家:气候变化导致频繁极端天气
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1671344338369372441&wfr=spider&for=pc
+++百度新聞+++