4名の共産党高官の制裁を発表しました。
中国はこれに対して、断固抗議し対抗処置を取る表明し、
昨日7月13日に具体的な制裁対象の4名と1機間を発表しました。
米中の制裁非難合戦は止まることがありません。
中国が制裁対象として挙げたのは、
国際宗教の自由問題担当特別大使サム・ブラウンバック
サム・ブラウンバック氏は2018年まで共和党上院議員でした。
中国外交部の定例記者会見で、華春瑩が発表した制裁対象は全員が、トランプ大統領と同じ共和党の議員です。
華春瑩は制裁内容には触れていませんが、
アメリカが中国共産党新疆ウイグル自治区の高官に課した制裁は、
ウイグル人への人権侵害で米国の制裁始動 ファイブアイズの中国包囲網は中国の息の根を止めるか! - 黄大仙の blog
過去のブログで説明したように、
アメリカ国内にある資産の凍結、
アメリカ人との交易禁止、
本人及び直系親族のアメリカへの入国禁止
でした。
中国は同等の処置を取るとしていますので、4名への制裁内容は、
中国国内にある資産の凍結
中国人との交易禁止、
本人及び直系親族の中国への入国禁止
となると思われます。
これで制裁の効き目があるとは思えません。
もしこれよりも厳しい制裁が課せられた場合には、
アメリカもさらに厳しい対抗処置を取り、
お互いの制裁合戦になるでしょう。
この場合は中国の方が不利でしょう。
多くの中国共産党幹部が米国中心とした国外に、
莫大な資産を持っていることは、公然の秘密、暗黙の了解です。
「中国人がアメリカに持っている資産を、焦って金に換えているので、株高なのに金価格も上がるという、普通は考えられない現象が起きている」
このように分析する経済アナリストもいますが、
逆に外国人が中国に持っている資産は、
海外ATMでの引き出しは、
1日1万元までかつ年10万元までと制限が厳しいので、
中国に住んでいる人以外は、資産を中国においておく意味がありません。
こうしてみると、中国が対抗処置として制裁すると発表したのは、
アメリカに対する牽制ではなく、
中国国内世論むけの姿勢ではないかと思います。
記者会見で華春瑩は、香港国安法問題で趙立堅が言った「3つの揺るぎない」を繰り返しました。
「国家主権、安全保障、発展の利益を保護するという中国政府の決心は揺るぎない。」
「暴力テロ勢力、分裂勢力、宗教的過激派を打撃を与える決心は揺るぎない」
「如何なる外部勢力が新疆問題や中国内政に干渉することに反対する決心は揺るぎない」
「揺るぎない」は中国語で「坚定不移」と言い、
「3个坚定不移」はスローガンとして最近よく使われます。
「この問題は中国内政だ、3个坚定不移で断固として立ち向かう」
などのように中国国内向けの文章で使われます。
これを聞いた中国人たちは、気を奮い立たせて、
「アメリカに負けるな」「頑張れ中国」と思うんでしょうね。
しかしウイグル人人権侵害問題では、
低賃金(無賃金)労働者としてウイグル人を工場で働かせ、
サプライチェーンとして組み込まれ、
日系企業にも納品されていると言われています。
意図的か否かに関わらず、このような企業もアメリカの制裁対象になると噂されていますので、
中国に工場を持っている方々、
中国の企業から製品や部品を調達している企業の方々、
サプライチェーンの身体検査を検討した方が良いですよ。
下記はニューヨークに拠点を置く中国語ニュースサイト多維新聞が中国の対抗制裁を伝える記事です。
+++多維新聞+++
[原題]<多維新聞>北京宣布对等制裁美国一机构及4名个人
[邦訳]<多維新聞>北京は米国の1機間と4名に対抗制裁を発表
アメリカ国務省と財務省がアメリカ国内法に基づいて、中国新疆にある政府機関一つと、中国当局者4名に制裁するとした件に対抗して、華春瑩は中国がアメリカの1政府機関と4名に対して同等の制裁を課すと発表した。
北京時間7月13日の中国外交部記者会見で華春瑩報道官は、中国はアメリカ議会行政部門中国委員会(Congressional-Executive Commission on China)及び、国際宗教の自由問題担当特別大使サム・ブラウンバック、上院議員マルコ・ルビオ、テッド・クルーズ、下院議員クリス・スミスに対して直ちに制裁を課すことを決定したと発表した。
米中間の対立は拡大し続けている中で、アメリカ政府は7月9日に突然4名の中国当局者と新疆公安庁に制裁を実施した。その後、中国は反対処置を発表した、「アメリカの新疆問題に対して悪質な機関と個人に対して相当する制裁処置をとる」
13日に記者からのさらに進んだ質問に答えて、華春瑩は制裁処置の詳細を明らかにした。
華春瑩は、アメリカの上述の行動は中国内政に深刻に干渉しており、国際関係の基本的基準に深刻に違反し、米中関係に深刻な損害を与え、中国は断固として反対し、強く非難すると述べた。
華春瑩は「新疆問題は純粋に中国の内政であり、アメリカには横暴に干渉する権限も資格も無い。国家主権、安全保障、発展の利益を保護するという中国政府の決心は揺るぎない。暴力テロ勢力、分裂勢力、宗教的過激派を打撃を与える決心は揺るぎない、如何なる外部勢力が新疆問題や中国内政に干渉することに反対する決心は揺るぎない」と指摘した。
華春瑩はアメリカが間違った決定を直ちに取り消し、中国内政への干渉を停止し、中国の利益を害する言動をやめるように求めた。さらに「中国は状況の進展に応じてさらに対応する」と述べた。
特に注目すべきは、2020年に入り、中国の新型肺炎(COVID-19)に対する透明性に欠けた処理や、新疆、チベット、香港や南シナ海問題をめぐる対立など、米中関係は対立を深めていることである。
アメリカの上述の行動に対し、ロイター通信社は、これまでアメリカが中国の当局者に課した最高レベルの制裁措置であり、緊迫した米中の競争関係が日増しに拡大していることを示していると報じた。
イギリスのフィナンシャルタイムスも、新疆の人権侵害問題や香港国家安全維持法執行問題を含む、全ての領域でトランプ政府による中国への懲罰がグレードアップしていることを今回の制裁は示していると述べた。
しかし、注目に値するのは、アメリカが中国に対して何度も様々な制限処置を講じた後、中国は対等の報復を与え、アメリカ当局者や機関に対策を講じたことだ。
整理すると、アメリカ国務長官マイク・ポンペオは7月7日に「チベット相互アクセス法」の施行し、中国政府と関連する当局者にビザ制限を行うと発表すると、7月8日には中国はチベットに関与する米国人のビザ制限を行うと決定した。
アメリカは一部の駐米中国メディア機関を「外交使節」とリストしたため、北京時間7月1日の中国外交部定例記者会見で、趙立堅報道官は4つの米国メディアの駐華機関に対抗処置をとると発表した。
また、香港国家安全維持法が発表される前に、アメリカは香港の自治を弱体化した中国共産党当局者にビザ制限を課すと発表した。中国は香港問題で「極めて悪辣な態度の」アメリカ当局者にビザ制限を実施した。中国は最も速く最も直接的な反撃だと非難されている。
<多維新聞>北京宣布对等制裁美国一机构及4名个人
+++多維新聞+++