米国によるヒューストンの中国領事館閉鎖要求に対して、
人民日報が一編の評論記事を掲載しました。
「これは意外であるが、当然でもある。」
「中国はトラブルを起こさないが、トラブルを恐れない」
「中国国民の中国政府を支持する決意は揺るがない」
最悪の事態も辞さない決意が、
人民日報の記事の裏に見え隠れします。
人民日報が22日深夜に、
「美政客正在全世界面前演“丑恶秀”」
と題された評論記事を発表しました。
(この記事の最後に意訳を掲載してあります。)
人民日報は中国共産党の機関紙ですので、
記事によれば、今回の事件は「意外であるが当然だ」としています。
意外であったのは、外交関係のある国家間では、通常リュ応じ館の閉鎖要求はありえない重大事件だということ。
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当然だと思うのは、最近のアメリカの政治家は、ありとあらゆる悪行を中国に対して行なっており、これもその一環の中の、最新のものに過ぎないということです。
アメリカ側が領事館閉鎖が、「米国の知的財産権と個人情報保護」を理由に挙げるのは、茶番にすぎず、国際法や国際関係の基本的規範に違反している、と避難しています。
記事は、
「中国は常に相互理解と有効に努めてきた」
「在中国の米国外交機関や駐在員の職務遂行に便宜を図ってきた」
それなのに、米国側は何をしてきたのか!
『中国の外交上のメールやポーチの開封を繰り返し』
『中国の公用品の応酬を繰り返してきた』
と、中国外交部王文斌報道官の記者会見での声明を報じています。
ここまででも、呆れて目が点になる人、「誰のこと言ってんの」と突っ込み入れる人が続出でしょう。
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記事はさらに続きます。
「最近中国大使館は爆破や殺害の脅迫を受けた」とし、
「内政干渉しているのは誰なのか、潜入、対抗しているのは誰なのか、国際社会が公平に判断し、歴史が判断する」
まさに「お前が言うな」であり、
あなたも胸糞悪い思いをしているでしょう。
記事はさらに続けて、
友好国の領事館を閉鎖する行為は、正当な理由も無く、モラルのかけらも無い残忍な行為だと、
アメリカの行為を強烈に非難しています。
閉鎖を要求されたヒューストンの中国領事館は、
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米中国交正常化後に、最初に開設された領事館で、
米中友好の象徴ともいえる施設です。
象徴の閉鎖は中国共産党にとってもショックだったことを、
この記事の口汚い非難の文言が示していると感じられます。
「中国はトラブルを起こさないが、トラブルを恐れない。」
「アメリカが誤った判断を撤回しなければ、中国政府は必要な対抗策を取り、中国人民が中国政府を支持する決意は揺るがない」
いつもの威勢の良い文言で記事を締めくくっています。
中国共産党の動きが、
威勢の良い文言だけで終わるのか、
武力衝突も視野に入れているのか、
記事からは読み取れませんが、
中国は報復処置として四川省成都にある米国総領事館の閉鎖を命じ、
国営放送に対して、反米感情を煽るドラマ(朝鮮戦争のドラマらしい)の放映を命じるなど、
対米開戦への準備を進めているようにも見えます。
ポンペオ長官が中国人民に、共産党を打倒せよと呼びかけたとの報道もあり、米中関係の緊張は日増しに強まっています。
日本政府はどうするのでしょう?
人民日報記事の意訳(簡約)を以下に提示します。
+++人民日報+++
[原題]<人民日報 >美政客正在全世界面前演“丑恶秀”
[邦題]<人民日報 >米国政界は全世界を前に「醜悪なショー」を演じている
アメリカは突然中国にヒューストンにある総領事館を閉鎖するように要求した。これは意外でもあり、当然でもある。意外なのは、正常な外交関係の国家間では、これが深刻な事態であること。当然なのは、米国の政治家は最近様々な悪行を出し続けているが、これはその一つに過ぎなことだ。
「これはアメリカが一方的に中国に対して起こした挑発だ。」米国が中国にヒューストンにある総領事館を閉鎖するように突然要求したことに対して、中国外交部は、中国は米国に誤った決定をすぐに取り消すように促す。さもなくば正当かつ必要な対応を取らなくてはならない。
世界の多くの国々は、外交機関や外交官に対し、国際公約と二国間条約があり、基本的な規範と同義的常識がある。道義を踏みにじることは、全世界の前で公然と悪事を働くことであり、歴史に悪い痕跡を残すことである。
米国が言われもなくこのような事件を起こし、国際法と基本的規範に深刻に違反し、米中領事条約と関連する規定に深刻に違反し、それを事もあろうに、「米国の知的財産権と個人情報を保護するため」と汚く主張するとは、笑止千万である。
中国の米国にある外交機関は常に中米両国の相互理解と有効に尽力し、更に中国にある米国期間と人員の職務に対して便宜を図っている。対照的に米国は何をしたか?去年10月と今年6月に、米国は2度中国の駐米外交官に不当に制限を設け、外交メールの開封を繰り返し、公用品の応酬を繰り返した。米国による思いつくままの避難と敵視の煽動により、中国の駐米大使館は最近中国駐米外交機関と職員に対して爆破や殺害の脅威を受けている。米国の在中大使館のウェブサイトは、しばしば中国を攻撃する記事を公開している。結局のところ、内政干渉しているのは誰なのか、潜入、対抗しているのは誰なのか、国際社会が公平に判断し、歴史が判断するであろう。
最近、アメリカの一部の政治家はヒステリックに、すべてのグループから抜け、周囲と敵対し、意にかなわなければテーブルをひっくり返し、米国民に代償を払わせ、世界に不確定要素をもたらした。外交関係のある国に対して、何の道徳心も底意もなく、正当な理由もなく、残忍にも総領事館の閉鎖を命じるのは傲慢で愚かなことであり、これは米国政府が中国に対して重大な戦略的過ちを犯したことを十分に示している。
米国がそのような政治家に支配されているのは恐ろしいことであり、国際社会がそのような政治家によって頻繁に侵害されているのは悲劇的である。 自国の新型コロナ大流行に直面して、何百万人もの人々が感染し、十数万人が死亡し、政治家たちは新型コロナ抑制に何もせず、罪悪感のかけらも無く、視点を逸らすために精力を使い、世界の面前で恥さらしを厭わないことは、悲しく、嘆かわしく、可笑しく、反吐が出る。
米国で最初に開設された中国総領事館として、ヒューストンの総領事館は中米関係の歴史を目の当たりにしてきた。 この歴史は、中国とアメリカの人々、そして見識を持った無数の人々の努力の結果であり、特定の政治家によって歪められたり、信用を失墜させられたりすることはありえない。 中国はトラブルを起こさず、トラブルを恐れることもなく、誤った決定を撤回しないことを主張すれば、中国政府は必要なあらゆる措置を講じ、中国国民が支持する気持ちは揺るがないことを改めて米国に思い知らせている。
<人民日報 >美政客正在全世界面前演“丑恶秀”
+++人民日報+++