香港自治法を覚えていますか?
7月14日にアメリカで成立した法律です。
香港国家安全維持法に関与した人物と、
その人物と大量取引のある金融機関に対して、
制裁を加えることができる法律です。
制裁は米国資産の凍結とビザ発給の停止、
金融機関に対しては米国銀行からの融資禁止。
香港自治法成立の時は、
日本でも大々的に報道されましたが
その後は報道は全くありませんが、
どうなっているのでしょう?
香港自治法は人知れず、しっかりと働いていました。
アメリカ政府が運営する<美国之音>が伝えていました。
(美国は中国語でアメリカのことです)
トランプ大統領が香港自治法に署名 米国は新たに中国制裁の手段を持った 中国は強烈に非難 - 黄大仙の blog
行政会議の招集人を務める陳智思氏が、
(行政会議は香港行政長官の諮問機関)
米国の銀行から口座を閉鎖するとの連絡を受けたそうです。
預金は返金されるようなので、口座凍結ではありません。
陳智思氏以外の香港政府高官にも、同様の連絡があったようです。
香港自治法は銀行も制裁対象なので、
香港や中国政府関係者と取引のある銀行は、
制裁を受けないように口座の閉鎖に動いているようです。
また、香港にある全ての欧米の銀行が、取引先の緊急審査を行い、
米国の制裁の対象となりうる中国と香港の関係者や、企業の身元確認を行ったようです。
このように、銀行が制裁対象にならないように、
怪しい取引先の口座閉鎖に動き始めています。
実際には香港自治法は制裁を発動していませんが、
銀行の方が先立って顧客の身元調査を行い、口座閉鎖に動いているのです。
香港自治法の本当の効果はこれだったのかと気づかされます。
記事中には日本の銀行については触れていないのですが、
取引先の調査をやっているのでしょうか?
香港に支店があるかどうかに関係なく、日本や海外の本支店に、
香港国家安全維持法に関与した人物の口座があると、
ドル取引停止の制裁を受ける可能性があります。
取引銀行に問い合わせることをお勧めします。
以下は美国之音の記事の意訳です。
[原題]<美国之音>美國制裁效力初顯 外國駐港銀行開始拒絕港府要員的業務
[邦題]<美国之音>米国の制裁措置が発動 香港の外資系銀行が香港要人の取引を拒否し始める
香港のある重要な政治家は、香港の将来をめぐる米中対立の進展により、香港政府高官は香港の外資系金融機関との取引がますます困難になってきていると述べた。
香港の行政会議の招集人を務める陳智思(バーナード·チャン)氏はこのほど、米国の銀行から口座を閉鎖して預金を返金するとの連絡があったことをメディアに伝えた。彼は銀行の名前の公表を辞退したが、他の高官も同様の問題に遭遇したと述べた。
香港の英字紙「サウスチャイナ·モーニング·ポスト」は林鄭月娥(キャリー·ラム)、香港政府の閣僚16名、行政会議の非公式メンバー16名の資産申告を調査したところ、陳智思と行政会議メンバーの史美倫(ローラ·チャー)だけが米国での資産を開示していたことが判明した。
陳智思氏はフィナンシャル·タイムズに、バンク·オブ·アメリカは彼のような政治的な公人とは関わりたくないし、HSBCもそうではないかと語った。
陳智思氏がコメントを発表する前に、北京は今月初めに香港国家安全維持法を強行可決させた。国家権力の破壊などの重大な逸脱を犯した者は、その罪のために最高無期懲役にまで直面する可能性がある。
香港通貨管理局のマネーロンダリング防止規則によると、政治的に暴露された人物には「被害を受けた公的機関から委託された、またはかつて委託された個人、その中には、国家や政府の元首、政治家の上級幹部、政府機関、司法機関、軍事機関の上級幹部、公的機関の上級幹部、政党の上級幹部などが含まれている。」とのことだ。
先日、米国議会で可決された香港自治法は、行政府が香港の国家安全維持法執行官に制裁を課す権限を与えている。これらの個人と取引を行う銀行は、米国ドルでの取引禁止を含む米国金融システムによる制裁を受けることになります。
フィナンシャル·タイムズ紙は今月、香港のすべての欧米の銀行が取引先の緊急審査を行い、米国の制裁の対象となりうる中国と香港の関係者や企業の予備的な身元確認を行ったと報じた。
保険会社アジア·ファイナンシャルの総裁でもある陳智思氏は、香港国家安全維持法が発表される前に米国の銀行の口座でさえ閉鎖されていたが、同様の問題はより一般的になってきているという。
陳智思氏は、長い間銀行は政治的にリスクの高い顧客との取引には厳しい方針を持っていたが、米国の法律により、現地の役人との取引にはより「慎重」になると述べている。
弁護士によると、香港で営業する銀行は、米国の法律と香港国家安全維持法の両方に違反しないようにする必要があり、法律の規定上、外国の制裁制度に協力することは違法とされている。
フィナンシャル·タイムズによると、香港の民主派活動家ジョシュア·ウォン(黃之鋒)氏は最近、HSBCから書籍の販売による収入について質問されたという。この収入は銀行の口座に入金されています。
黃之鋒氏の口座は今のところまだ有効とのこと。
HSBCはこの件についてコメントを拒否した。HSBCは、抗議活動の資金調達のための口座を閉鎖するという以前の決定は、反マネーロンダリング規制を強化するためだったと述べた。
スタンダードチャータード銀行とHSBCは、香港国家安全維持法の詳細公開に先立ち、国家安全維持法支持を公にした。これらの銀行はメディアからの問い合わせにコメントしていない。しかし、フィナンシャル·タイムズ紙は、この件に詳しい情報筋の話を引用して、陳智思氏の口座を閉鎖した米国の金融機関はシティバンクではないと語った。