一国二制度は粉々に破壊されました。香港人が香港で逮捕されたのに、広東省に収監されて取り調べ。香港警察には何も連絡なし。
中国海警局の微博アカウントは26日夜、広東港南東部の当方管轄海域で不法越境の疑いのある快速艇を捕獲し、不法越境の疑いのある12名が逮捕されたとのニュースを発表しました。そのうちの1人は李宇軒という、今月10日に黎智英氏親子や周庭氏と同じ日に香港国家安全維持法違反容疑で逮捕された香港の活動家です。
中国海警局の微博は下記の通りで、事実だけを述べた普通のニュースです。
<中国海警微博>
ここで名前が挙げられている「李某某」が李宇軒氏のことで、「香港物語」のメンバーです。李宇軒氏は黎智英氏や周庭氏と同じ日に香港の国家安全維持法違反で逮捕され、現在は保釈中でした。9月上旬に警察への出頭を求められており、恐らく普段の動向はマークされていたのだろうと思います。
環球網の報道では、海警局の公船が広東港南東部の海域で不法越境の疑いのある快速艇を捕獲し、密輸の疑いもあるため、本土(広東省)で取り調べ中となっていました。
ここまでのニュースでは李宇軒氏の乗った快速艇は、香港よりもずっと東の広東省沖で拿捕されたのかなと、なんとなく想像していたのですが、<观察者网>の微博を見つけてびっくりしました。
<观察者网微博>
微博に地図が載っていますが、赤いマークのところが快速艇が捕獲された果洲諸島です。九龍半島や香港等が間近にあることからわかるように、果洲諸島は香港特別行政区に所属する島です。
香港特別行政区の海域を中国本土の海警船がうろついていること事態が不思議なのですが、百歩譲って海警船がいるのは認めたとして、香港領内で逮捕した香港人を、何故、中国本土の広東省で取り調べを行なっているのでしょう?
「一国二制度」は国安法で有名無実になったと言われていますが、やはり完全に破壊されていました。
逮捕され広東省で取り調べを受けている李宇軒氏ですが、保釈中の身であり、間も無く警察に出頭することになっていたのに、軽はずみな行動をとりましたね。警察に監視されていることくらい想像できるはずなのに、カルロス・ゴーン張りの逃亡劇でも空想していたのでしょうか? 香港島を出てすぐに捕獲されているのですから、ずっと本土警察に監視されていたのでしょう。海に出てから捕獲されたのも、そのまま本土に移送するのに都合がいいからだと思います。
李宇軒氏の逃亡逮捕事件が、黎智英氏や周庭氏など国家安全維持法違反で逮捕され保釈中の人たちに、悪影響がないことを祈ります。
参考資料(*->s)
<環球網海外網>港媒曝乱港分子被中国内地海警截获 邓炳强回应
<观察者网微博>#乱港分子涉违香港国安法欲潜逃台湾# 被中国内地海警截获