9月7日に山西省の太原衛星発射センターから地球観測衛星が打ち上げられました。日本では扱いが小さかったニュースですが、中国内では大々的に報じられていました。しかし打ち上げ直後に山西省の隣にある陝西省に、ロケットの一部が落下炎上しました。衛星打ち上げは本当に成功したのか?
中国が打ち上げた衛星「高分11号02星」は、光学式リモートセンシング地球観測衛星です。中国の中長期科学技術発展計画で定められた16の主要科学技術プロジェクトの一つで、高分解能地球観測システムを構築する「高分システム」の一環として打ち上げられました。
2018年7月31日に打ち上げられた「高分11号」と今回打ち上げた「高分11号02星」とがリンクすることで、観測性能が大幅に向上します。
イギリスの「ジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー」は、高分システムの地上画像の解像度が10センチ以下になる可能性があると推測しており、この推測が正しければ、中国はアメリカに次ぐ衛星撮像能力を持ち、アメリカの撮像衛星に匹敵する最大解像度を得ることができます。
「高分システム」は、主に土地調査、都市計画、土地表示、道路網の設計、作物の収穫量の推定、防災・減災などの分野で使用され、「一帯一路」建設に役立てられます。
中国が長い視野で物事を見ていることがわかる案件ですし、中国国内がこのニュースを大歓迎するのも肯けます。ここまでは。
打ち上げの行われた山西省の隣に陝西省があります。陝西省の首都西安は旧名長安と呼ばれた旧都でもあるのですが、西安から東へ50kmほどのところにある洛南県で、打ち上げ直後に上空から落下してくる物体を、住民が動画に撮影しSNSにアップしました。
太原衛星発射センターで打ち上げが行われたのが、9月7日13時57分、洛南県に物体が落下したのが14時頃とのことですので、打ち上げに使われたロケット長征4号Bのブースターが落下したと見て間違い無いでしょう。
<打ち上げ地点と落下地点地図>
衛星打ち上げは成功したと報じられていますが、ブースターが民家の近くに落下して良いんですか?
参考資料(*->s)
<环球时报>太原卫星发射中心成功发射高分十一号02星
http*://bit.ly/2DEHfQH
<腾讯网>13点57分,长征四号乙火箭成功发射,高分十一号02星进入预定轨道
http*://bit.ly/3jYZXlg
<多維新聞>中国再次发射高分辨率卫星 监测性能曝光[图]
http*://bit.ly/3bDsBpl
https*//bit.ly/2ZhYgaW