アメリカ商務省はTikTokとWeChatの米国内でのダウンロードを、20日夜から禁止するように命じました。中国メディアの報道ではTikTokクリエイターがアメリカ政府を訴えたとのことです。日本では報じられていない情報です。
TikTokは中国のバイトダンスが運営する動画投稿サイトです。正確にはバイトダンスの米国子会社がアメリカのTikTokを運営しています。
アメリカがTikTokを禁止するのは、TikTokアプリを通じて、インストールされた端末から、個人情報や機密情報が盗まれたり、逆に端末が窓口となって、ネットに侵入されることを警戒しているからです。
バイトダンス社や中国当局は、TikTokは米国法人が運営するもので、中国側とは関係がなく、サーバーも米国内にあるので、アメリカ政府が心配するようなことは起こらないと主張しています。
しかし実際には2019年12月には個人情報を中国に送信していると、米国学生がTikTok相手に集団訴訟を起こし、2020年8月には「膨大な量の」個人情報やコンテンツを中国のサーバーに送信していたとして、集団訴訟が起こされています。
米国TikTok禁止! 中国は猛反発 中国メディア澎湃新闻の分析は? - 黄大仙の blog
またTikTokアプリが昨年11月まで、利用者に無断でスマホのMACアドレス(識別番号)を収集していたことを、TikTok社も認めています。
こうしてみるとアメリカ政府がTikTokを禁止するのも仕方がないと思いますが、世界中で8億人と言われるユーザーを誇る人気アプリですから、アメリカ政府の禁止処置に不満が出るのは当然ですね。
中国メディアの報道によると、9月18日にアメリカのTikTokクリエイター3名が、トランプ大統領のTikTokに対する行政命令に対して訴訟を起こしました。訴訟を起こしたのはCosette、Dougmar、Alec Chambersの3名です。
Cosetteは21歳の女性で、TikTokフォロワー数が4200万人を超える人気TikTokerです。
「TikTokは私のキャリアにおいて重要な役割を果たしてくれたので、創造性への情熱に従うことができました。私だけではありません。多くのクリエイターにとって、TikTokは自分を表現し、それによって収入を得るための重要な役割を果たしています。」
Cosetteはこのように語り、さらに「私はTikTokクリエイターコミュニティの一員であることを誇りに思いますし、私たちは戦いを諦めません!」と訴訟を戦い抜くことを宣言しています。
CosetteがTikTokを続けたい気持ちは伝わってきますが、利用者の個人情報を中国に送っている疑惑には何も答えていませんので、この言い分のままでは訴訟に勝つのは無理でしょう。
TikToki社やTikToki社員も、トランプ大統領のTikTokに対する行政命令に対して訴訟を起こしており、TikTokに対する訴訟とともに、今後どのような判決が出るのか注視していきたいと思います。
日本がどう対応するのかも気になるんですが、アメリカ政府追従だろうなとは思っています。私個人にとってはTikTok禁止よりもWeChat禁止は痛手です。
参考資料 *>s
<新京报>继TikTok公司和员工后,TikTok创作者也起诉美国政府
http*://bit.ly/3cbyGJQ
<YahooNews>米、TikTokのDLとウィーチャットの使用を20日から禁止へ
http*://bit.ly/3cavQ82
<ロイター>米学生がTikTokを提訴 「個人情報を中国に転送」
http*://bit.ly/2HexkTk
<SankeiBiz> TikTok、無断で利用者情報収集か 米紙報道
http*://bit.ly/2RE6BBk