最近は中台情勢が緊迫しています。中国人民解放軍は黄海から南シナ海までの海域で軍事演習を何度も繰り返し、解放軍の戦闘機が台湾海峡中間線を超えることも連日のように起きています。一方の台湾へはアメリカのアザー厚生長官とキース・クラック国務次官という政府高官の訪問が続き、中国政府が敏感に反応しています。
そんな時に台湾軍は台湾国家安全局の指示を受け入れ、敵が台湾を攻撃した場合には、台湾は自衛反撃するとしました。
今年8月9日にアメリカ厚生省アザー長官が台湾を訪問しました。
アメリカ閣僚としては六年ぶりの台湾訪問でしたが、米台断交以来最高位の高官の台湾訪問として、中国の反発もかなり大きなものがありました。
そして9月17日には更に上の高官である国務省キース・クラック次官が台湾を訪問し、19日まで滞在しました。この時の中国の反発も激しいものがあり、クラック次官の訪台に先立つ9月9~10日には台湾島からわずか170kmしか離れていない海域で、人民解放軍が軍事演習を行い、解放軍戦闘機が40回以上も台湾の防空識別圏に侵入し、台湾空軍はスクランブル発進を繰り返しました。
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解放軍戦闘機が台湾領空侵犯 台湾軍は迎撃弾道弾を構える 中国メディアの報道は。 - 黄大仙の blog
日本ではほとんど報じられていないニュースですが、中台関係の緊張を深刻に高めた事件です。
最近の蔡英文総統の言動を見ていると、自信満々で嬉々とした様子が窺えます。昨年前半には、総統選再選は困難と評されて沈んだ表情だけが目立っていたことを考えると、ここ一年の状況の激変はすごいですね。
さて、緊張度を高める中台関係ですが、ニューヨークに拠点を置き、中国の政治ニュースを主に扱う多維新聞によると、台湾軍は国家安全局の指示を受け入れ、敵が台湾を攻撃した場合には、台湾には自衛反撃する権利があるとし、台湾軍が大陸解放軍に対して武力を行使して戦争状態に入ることができることを明らかにしました。
台湾国防部は、両岸の軍事情勢が熱くなる中で、軍は「挑発しない、臆病にならない、交戦を回避する」原則に基づき、かつ国際法や国連憲章に従うとしつつ、もし敵方が台湾を攻撃した場合には、台湾は自衛反撃をすることになっていると述べました。
自衛反撃権は敵の台湾攻撃の時に使われるとされており、台湾が率先して攻撃することはないとも述べています。
軍関係者によれば、これは『私はあなたを恐れていない、あなたが攻撃すれば私は必ず反撃する。先制攻撃はしないが、攻撃されれば必ず反撃する』ということだとしています。
とても頼もしい台湾政府の姿勢ですね。日本も尖閣諸島や小笠原諸島など、中国にちょっかいを出されている島嶼部は多くあります。日本政府にも台湾のような毅然とした態度を示して欲しいです。
中国への牽制になるのは当然として、日本海の竹島を不法占領する韓国への牽制にもなりますね。
参考資料
<多維新聞>【台海局势】从第一击到自卫反击权:台军会触发军事冲突?
http*://bit.ly/32PpyaK