日本のマスコミはほとんど報じないのですが、中国人民解放軍の軍用機が9月16日から連続して台湾上空に進入しています。軍用機は中国沿岸部の空港から離発着している模様で、この空港からは台北まで20分足らずで到着する距離です。また、広東省の空港からは早期警戒機が飛び、軍用機の支援を行っているとの報道がありました。
中国人民解放軍軍用機の台湾空域への侵入はすでに13日連続行われています。9月28日は6点47分(中国時間)に高度2000mから台湾西南空域に進入したと、環球時報が伝えていました。
台湾軍は警告放送で侵犯機に空域から離れるように呼びかけましたが無視された模様です。
最近、台湾海峡の緊張が高まっており、解放軍軍用機が頻繁に台湾付近に出没したり、訓練を行ったりしています。台湾の軍事ファンの分析によると、解放軍が27、28日に派遣したのはY-8対潜水艦機に違いなく、27日は広東省汕頭から6,900メートルの高さで航空警察-500早期警戒機が早期警戒を指揮していたとのことです。
中国側の言い分は、「台湾海峡の現状に対応し、国家の主権と領土の完全性を守るための合法的かつ必要な措置として、中国人民解放軍東部戦区は9月18日から台湾海付近で戦闘訓練を組織している。台湾は中国の神聖で不可侵な領土であるため、台湾の問題は純粋に中国の内政問題であり、外国からの干渉は許されない。」としています。
先月からアメリカ政府高官が続けて台湾を訪問したり、アメリカが台湾に兵器を売却していることへの牽制の意味があるものと思われます。
台湾へ侵入する解放軍軍用機ですが、戦闘機が派遣されることも何度もありました。
今までの報道ではこれらの戦闘機がどの空港から離陸したものなのかは触れられていませんでした。『多維新聞』の報道によると、浙江省衢州市というところに衢州航空基地があり、そこが発着基地になっているのではないかとのことです。
衢州航空基地は、蘇-30、蘇-27、殲-10などの戦闘機を多数長年駐留させていて、敵機やミサイルの爆撃を防ぐために巨大な地下格納庫を持っているとの報道もあります。
浙江省衢州市は台湾台北市から500kmほどの距離にあり、台湾軍の巡航ミサイルや航空機が攻撃する有効距離のちょうど限界に位置しているので、台湾侵攻の際の前線航空基地としても有効に活用できます。
台北-衢州の距離
衢州航空基地には解放軍の第5世代ステルス戦闘機殲-20が赴任したとの情報もあります。
殲-20は世界で3番目に量産化された第5世代ステルス軍用機で、ステルス能力、レーダー探知能力、情報状況認識能力、超音速飛行能力に優れています。殲-20は爆弾を付けたまま離陸し、時速2000キロ近い速度で、7~8 分後には台湾軍の長距離空対空ミサイルの有効射程内に入り、15~20 分後には台湾上空を攻撃できるようになります。
公表された情報によると、殲-20は腹部と側面の爆弾室にPL-15視界外射程長射程空対空ミサイルとPL-10短距離空対空ミサイル、および小型誘導弾が搭載されています。
人民解放軍は後方早期警戒機などの情報システムの支援の下に殲-20のようなステルス軍用機を、台湾のレーダーに探知されない安全な距離に配備し、長距離航空ミサイルを使用してすべての航空目標を攻撃することができます。
台湾当局は中国のこのような動きに対して、本土は自制すべきだと抗議をしました。
これに対する中国側の回答は以下のとおりです。
「人民解放軍は、台湾海峡で軍事演習を組織し、外敵の干渉とごく少数の「台湾独立」分離主義者の分離主義活動を標的にし、国の主権と領土の完全性を守る決意と能力を示すために活動している。台湾民進党当局は台湾同胞の安全と幸福を無視し、常に両岸対立と「独立を求めて」挑発し、台湾海峡の平和と安定を危うくしてきたが、この試みは失敗に終わる運命にある。 もし「台湾独立」分離主義勢力が、いかなる名目であれ、いかなる手段であれ、台湾を中国から切り離そうとするならば、我々は何としてでも彼らの試みを断固として阻止する。」
これぞ戦狼外交という回答です。中国共産党にとっては、台湾問題は外交ではなく内政ですが、この言葉はアメリカを意識して述べられていますので、十分に戦狼外交と言っていいでしょう。
尖閣諸島のことを考えると、日本も対岸の火事と涼しい顔していられないのですが、日本のマスコミの扱いが小さいのは何故なのでしょう?
参考資料*>s
环球网:解放军军机连续第13天现身!绿媒:今日还创下本月最早出现纪录
http*://bit.ly/367N8Se
多維新聞:解放军军机连续12日现身 台媒称对“广播驱离”完全不在意
http*://bit.ly/342u2KB