9月26日に第3回中央新疆作業会議が開催され、習近平総書記は中国共産党の新疆での作業は「大きな成果を上げている」と強調し、地域の経済・社会発展と人々の生活改善に前例のない成果を上げ、「すべての民族の利益感、幸福感、安心感が高まっている」と述べました。
国外からみた新疆ウイグルについては、日本でも報道されていますが、中国が発信する新疆の報道に接することも大切なことかと思います。
第3回中央新疆作業会議の模様は色々な中国メディアが報じています。もちろん会議を絶賛する報道ばかりなのはいうまでもありません。
最も絶賛された習近平総書記の演説では、「新疆の国内総生産が年平均7.2%増加し、住民一人当たりの可処分所得が年率9.1%増加、インフラの継続的な改善し、全市町が高速道路時代に突入した。」と経済成長を強調しました。
会議に出席した新疆ウイグル自治区のある地方政府の第一書記は、「各民族の人々の生活は益々楽しくなり、幸福感と安心感が格段に高まっている。共産党の新時代戦略の高い精神を維持し、完全かつ正確に実行し続け、新疆に中国の特徴を持つ社会主義の新時代を築く努力に知恵と力を貢献しなければならない」と述べました。
また、地元の貧困対策事務所主任は、「習近平総書記は貧困との戦いの方向性を示した。貧しい村や貧しい世帯が次々と貧困から抜け出し、地元の農民や牧畜民の生活に大きな変化をもたらして、新疆地域の飛躍的な発展の時代の証となっている。すべての勝利を勝ち取るまで決して止まるべきではない」と述べました。
哈巴河県阿克齊鎮のある幹部は、「哈巴河県阿克齊鎮の集落は、住民数が多く、管轄区域が広く、管理が難しい地域です。これらの問題を解決するために、臨時の共産党支部を設置し、中央から来た幹部、地域の幹部、党員を動員して率先して草の根の統治における法の支配を継続的に推進した。法の支配は新疆の安定と繁栄の基盤である。」と述べました。
習近平も出席する中国共産党の会議での発言ですから、それぞれが習近平思想を礼讃し、新疆での共産党の政策を褒め称える発言ばかりが続きます。
新華社の記事から拾ってきたものですが、このような礼賛がずっと続きます。興味のある方は参考資料に記事のURLを貼っておきますので、ご覧になってください。
新疆ウイグル自治区のGDPが年率7.1%増加、一人当たりの可処分所得は9.1%増加は、目を見張るものがありますが、これがウイグル人などの新疆にずっと暮らす人々の状況ならいいのですが、内地から移民してきた”外地人”である漢民族が、地方政府や企業の上層部を独占して利益を占有しているとの噂は絶えません。
交通インフラの整備も新疆発展の理由として挙げられています。高速道路網の整備は、有事の時に武警や人民解放軍の展開をスムーズにできます。鉄道の整備は中央アジアを抜けてヨーロッパに至る一帯一路に欠かせないものです。つまり中国共産党や中央政府の発展のために行った政策の利益が、おこぼれで少しだけ新疆に落ちたんだろうなと思ってしまいますね。
参考資料
<新华社>多谋长远之策 多行固本之举——习近平总书记在第三次中央新疆工作座谈会上的重要讲话鼓舞人心
<徳国之声>习近平赞治疆方略 专家:用词调整背后有深意