今年の中国の国慶節休暇は10月1日から8日までの8連休です。政府メディアは新型コロナ流行の影響から脱し、景気回復の雰囲気を伝えています。しかし一部のメディアは、良いニュースばかり報告して、悪いニュースを報告して無いと指摘しています。
10月1日から始まる中国の国慶節休暇は、例年は7連休ですが、今年は中秋節(旧暦8月15日)が10月1日に重なったため、例年より1日多い8連休となりました。
米中貿易摩擦や新型コロナの自粛ムードを振り払い、落ち込んだ景気を回復する絶好の機会と捉えられ、国慶節休暇中の消費ブームの到来が期待されていました。
メディアは、ゴールデンウィークの休日の消費状況が良好であることを報告し、10月3日までに全国で1億1100万人の観光客が観光地を訪れ、78.2%の前年比回復を受け、国内観光収入780.7億元、66.8%の前年比回復を達成したとの統計データも出ました。
たった3日間で日本の総人口並みの人が観光旅行に出かけているのですから、その消費量もすごいでしょうね。「都市新聞」と言う貴州省のメディアでは、貴陽市の夜郎谷と言う観光地で前年比400%の消費があった報じられていました。4倍ですよ。すごいとしか言いようがありません。
ところが自由亜州電台(RFA)と言うアメリカに拠点を置く中国語メディアが、中国が発表した公式統計によると、今年の観光客数と観光収入は昨年の同時期に比べて大幅に減少していると報じました。
今年の国慶節ゴールデンウィークの観光は昨年の80%に達しておらず、一人当たりの平均観光支出は昨年に比べて大きく減少していると報じています。
「前年同期比21.6%減、観光収入は前年同期比31.1%減となっています。 下落は劇的で、新型コロナ肺炎の流行に加え、中国国内の景気が悪化して壊滅的な状況になっていることが主な原因だ。」とする評論家の意見も紹介しています。
自由亜州電台の記事によれば、中国では広く普及している電子決済のデータでも消費が回復していないことが見て取れます。WeChat Payが発表した消費データによると、10月1日から3日までの中国国内の景勝地やホテルでのWeChat決済取引額は、5月1日メーデーの連休と比較して83.3%、70.75%増加しました。
これだけをみると消費額がかなり増加しているような印象を持ちますが、今年のメーデーの消費は昨年の50%以下であったことがネット上で暴露されました。
WeChat Payの決済データで見る限り、今年の国慶節休暇の消費は、昨年のメーデーの消費には及ばなかったと言うことです。
自由亜州電台の記事では、貴州省のある観光地の様子が載っていましたが、観光客がまばらで、中国メディアが報じているような活況は見られませんでした。
貴州省の観光地「昔日車水馬龍」人影がまばら。
一方では人出も多く大盛況と言う記事があり、一方では例年と比べても大したことはなく消費は回復していないとの記事もあり、どちらを信じていいのか困ります。
中国に住む友人にも国慶節の過ごし方を聞いてみましたが、旅行に出かけている人は少なかったです。と言ってもショッピングセンターに家族と出かけている人は多く、買い物客も多かったそうなので、地域によっては人出は回復しているようです。
参考資料 *>s
<自由亜州電台>十一假期市道低迷难挽颓势 央媒统计数据报喜不报忧
http*://bit.ly/2FaZ4ri
<都市新聞>阿里巴巴十一消费趋势报告:贵阳夜郎谷热度攀升全国第一
http*://bit.ly/34AEhGb
<封面新闻>“十一”消费趋势报告:家庭式出行成国庆游新主题,成都位居“全国十大夜游城市”榜首
http*://bit.ly/34Ef1yK