日本では報道されていないのですが、インドのメディアは、中国人民解放軍の兵士が、ラダック地域で「不注意で」国境を超えたとしてインド軍に逮捕されたと報じました。これに対して人民解放軍の西部戦区は10月19日遅くに対応しました。
中国インド国境のラダック地区は、今年6月にインド軍側に死者20名の被害を出した紛争が発生したガルワン渓谷のある地域です。
紛争以後も緊張状態が続く中国インド国境地帯ですが、10月18日夜、牧畜民からヤク探しを手伝ってほしいと頼まれた中国兵が迷子になったと人民解放軍西部戦区が声明を出しました。
声明によれば、中国国境警備隊はインド側に状況を伝え、インド側が捜索救助に協力し支援することを約束しました。
その後インド側から中国側に行方不明の隊員の一人を発見したと連絡してきました。
中国側の発表では、その兵士はインド側で健康診断を受けた後に、中国側に引き渡されることになっているとのことです。
一方インド陸軍が発表した声明によれば、10月19日にラダック地区で道に迷い、実効支配線を超えてインド側に入った人民解放軍の伍長が逮捕されました。
インド陸軍の声明によれば、逮捕された兵士は高山病や厳しい気象条件によって衰弱しており、酸素、食料や衣料品の提供や医療援助を施したとのことです。
インド陸軍の声明は、インドが行方不明の兵士の行方について解放軍から要請を受けたと発表しています。
今回の国境を挟んだ中国軍兵士の行方不明事件ですが、中国側から速やかにインド側に連絡が行き、インド側は兵士をすぐに発見保護したという事件だったようです。
インド側で治療中の兵士は、間も無く中国側に引き渡されるようです。
この事件は本当に、兵士が道に迷って国境を超えた事件なんでしょうか? 本当は兵士の逃亡事件だったのではないかというのは、考えすぎでしょうか?
中国インド国境地帯に派遣される人民解放軍兵士は、モンゴル人やチベット人などの少数民族が主流だと言われています。インド軍側もチベット人部隊が配属されていると言われています。
人民解放軍の兵士であっても中国への忠誠心が強い人たちとは思えませんし、インド軍のチベット人部隊は、元々は中国共産党にチベットから追い出された人たちです。中国共産党への敵対心はかなり強いそうです。
「迷子」になって国境をこえた中国軍兵士は、中国側の機密をインド側に伝えに行った密偵ではないかと思ったのですが、考え過ぎですね、たぶん。
参考資料 *>s
<多維新聞>印度军方逮捕一名中国士兵 解放军西部战区回应”
http*://bit.ly/3dGu5A2