最近カナダ政府は香港人難民にカナダへの亡命を認めましたが、中国の叢培武駐カナダ大使が「香港にいる30万人のカナダ人の健康と安全」を危険にさらす可能性があると警告しました。怒りに満ちたカナダ国民からは、中国大使の国外追放を求める声が出ています。
アメリカに拠点を置く中国語メディアの希望之声の記事によりますと、カナダの中国大使館で行われた。ビデオ形式で行われた記者会見で、叢培武駐カナダ大使は、孟晩舟事件や香港、新疆などの敏感な問題を受けて、中国共産党が2人の在中カナダ人を拘束し死刑判決を下したことのたことの正統性を訴えました。
続けて叢培武大使は、カナダ政府が香港人難民に対して政治亡命を認めていることを非難し、「香港にいる30万人のカナダ人の健康と安全が脅威にさらされている」と脅迫めいた発言をしました。
わかりやすく言えば、香港に滞在するカナダ人が暴漢に襲われるなど危険が迫っていても、中国共産党政府はカナダ人を保護しないと言っているのです。
場合によっては(中国官憲などによって)カナダ人が身柄を拘束されるようなことがあっても、中国共産党政府は保護しないと言っているわけです。
その上で叢培武大使は、香港で活動する多くのカナダ人やカナダ企業を心配するのなら、テロと闘う中国の努力を支援すべきだ、とまで言っています。
言い換えれば、孟晩舟を迅速に解放し、香港や新疆の人権問題で中国への干渉をやめなければ、香港にいるカナダ人に危害が及ぶと脅迫したのです。
しかしカナダ人はこの程度の脅しで、シュンとなって大人しくなってしまうほど弱い人たちではありませんでした。
叢培武大使の発言に激怒したカナダ国民を代表して、トルドー首相は、中国共産党の脅迫外交は人権擁護のカナダの立場を変えることはできないと強硬に反応しました。
「香港やウイグルの問題を語る場合でも、中国共産党の脅迫外交を指摘する場合でも、カナダ政府はカナダ人の権利を守り、世界中の人権を守ることを声高に明確にしてきました。」
トルドー首相の毅然とした態度は、各国首脳の規範として欲しいですね。
トルドー首相の発言はまだ続きます。
「恣意的に拘束された二人のカナダ市民の安全な返還を求めるだけでなく、懸念を表明している米国、オーストラリア、英国、世界各国の欧州諸国などの同盟国とともに立ち上がることを、中国共産党に伝えていきます。中国との関係を悪化させたくはありませんが、私たちはカナダ人に、私たちの権利、私たちの原則、私たちの価値観、そして最も重要なことは、私たちがカナダ市民のために立ち上がることを知ってもらいたいと思っています。」
トルドー首相がもし中国のトップだったら、中国は世界中から尊敬される超大国として君臨しただろうにと思ってしまいます。
残念ながら習近平総書記はトルドー首相のような考え方はせず、むしろ中国内にいるアメリカ人に対しても、いつでも拘束するぞと脅しをかけており、さらに香港にいるカナダ人にも保護しないと脅しをかけています。
この状況はすでに戦争状態だと指摘する識者もいるほどです。
日本人に対しては、今のところ脅迫的な態度をとっていませんが、いつ牙を剥いてくるかわかりません。
実際に尖閣諸島領海には連日中国の海警船が侵入して日本漁船を追い回しているし、北海道では広大な土地が中国資本に買われ、沖縄基地反対運動には中国大使館から資金提供があるとの噂まであります。
日本が中国の属国(冊封国)になってほしいと願う日本人にはこの状況が望ましいのかもしれませんが、私のように日中が対等な友好国としてお互いに発展してほしいと願う日本人には我慢できない状況です。
参考資料 *>s
<希望之声>中共大使威胁30万在港加人安全 加拿大震怒:道歉否则驱逐出境
http*://bit.ly/34dUp1n
<美国之音>加中再爆外交风波:加批中“胁迫式外交” 中驳加“纵容反华言论”
http*://bit.ly/2TedTN2
<徳国之声>美批中国“人质外交” 北京反控“新麦卡锡主义”
http*://bit.ly/3jjOgFf