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中国はGDP成長率目標を5%に設定か 一人当たり所得2万ドルを目指し、米国を退け覇権国家へ

中国共産党19期中央委員会第5回全体会議では、2025年までに中国を高所得国に、2035年までに一人当たりの所得が2万米ドル以上の国にすることを目指すと決めたようです。年間平均5%の経済成長率の目標が設定されるとの推測が出されました。

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   経済成長率目標は、来年の全国人民代表大会で公式発表される見込みですが、5%に設定されたとロイターを引用して、アメリカに拠点を置く自由亜州電台が伝えています。

 

  5%目標は、10年前の2ケタ台から8%、6%、と下がり、近年の中国経済の成長率が緩やかに低下している傾向を継続しています。

 

  現総書記の習近平が政権発足時に発した「新常態」というスローガンは、単純に経済総生産の高成長を追求するのではなく、経済構造の最適化を前提とした経済成長を重視しているとしています。経済成長の量ではなく質を重視しています。

 

  中国はすでに世界第2位の経済大国で、第1位のアメリカの70%、第3位の日本の3倍に達しており、それでも5%の成長率を維持するのは、庶民のための政策というよりも、改革開放以降に台頭してきた資産階級たちのためだと指摘する識者もいます。

 

  新興の資産階級は経済成長が無いと、社会不安を引き起こしかねないとみなされているからです。

 

  5%と言う目標に現実性があるのでしょうか?自由亜州電台では2種類の意見を紹介しています。

 

  一つは肯定的なもので、中国経済は新型コロナ流行による壊滅的な落ち込みから、世界に先駆けて回復しており、中国国家統計局のデータによると、製造業購買担当者指数(PMI)が8カ月連続で50を上回っており、中国の製造業も拡大を続けていることが示されています。

 

  世界中の経済が停止している中で、8カ月連続でPMI50以上と言うのは、中国の潜在的成長力恐るべしと言えるでしょう。

 

  もう一つは懐疑的な意見で、北京大学経済学の夏業良元教授の言葉で、「かつて中国国家統計局の局長は、水を絞り出すようにデータを絞り出すと言った。」と言うものです。

 

  中国の統計は当てにならないから、PMIのデータも眉唾だと言っているわけです。

 

  中国の経済データの信憑性の議論は永遠の疑問です。 もっと現実的な問題は、この政府主導の経済発展が一般の中国人の利益になるかどうかだと夏業良元教授は指摘しています。

 

  中国の世論では「中所得国の罠」という概念が長年熱く議論されてきました。

 

  この概念の主な意味は、産業発展の過程で中進国のレベルに達した途上国が、政治的腐敗や社会的混乱などにより、安定した成長を続けることができず、所得が低迷する罠に陥ることです。

 

  中国の一人当たりの所得は、2019年には年間10,410ドルになる。 世界銀行の基準では、中国はすでに上位中所得国です。

 

  中国が「中所得国の罠」に捕獲されてしまうかどうか、夏業良元教授は「中国共産党の現在の支配モデルの下では、特に計画経済への回帰により、この状況は10年前よりも悪化しており、中国は中間所得の罠から飛び出すことはできそうにない。」と悲観的です。

 

  中国人エコノミスト鄭旭光氏も、「政治的な問題のために経済が成長しません。」と指摘しています。

 

  中国は世界の工場としてのピークは過ぎており、人件費の高騰によって外資企業だけでなく、中国製造業も東南アジアやインドへの工場移転が進み、 これは中国の成長見通しをさらに弱めています。

 

  中国人が国境を越えて違法に就業することがないように、「ベトナム国境の壁」を建設したことも、過去記事で紹介した通りです。

 

  中国が「中所得国の罠」に落ちてしまうか、高所得国の仲間入りを果たすかは次の5カ年計画にかかっていると言っても過言ではありません。

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参考資料 *>s

 

<自由亜州電台>中国GDP标或订百分之五 能否跨越中等收入陷阱?

http*://bit.ly/3k6OCiP

 

<人民網>中国共産党19期五中全会コミュニケの要点

http*://bit.ly/38lXAqq