ブラジル国家衛生監督庁は9日に突然、中国製の新型コロナワクチンの臨床試験を中止し、理由に「重篤な副反応」を挙げました。
「CoronaVac」と呼ばれるこのワクチンは、中国のバイオテクノロジー企業であるシノバック社が開発したもので、数ヶ月前からブラジルのサンパウロにあるButantan Instituteで臨床試験と製造が行われていました。
フランス政府が設立した国際メディアのrfiの報道によりますと、ブラジル国家衛生監督庁は、10月29日に事件があり、中国製ワクチンの臨床試験を中止すると発表しました。
ブラジル国家衛生監督庁は、10月29日に何が起きたのか説明していません。
ブラジルでは中国製ワクチンの臨床試験が行われていますが、ボルソナーロ大統領は、中国製ワクチンの有効性に疑問を抱いていることを公言しており、先月には「ブラジル国民をモルモットにしてはいけない」と公言していました。
ボルソナーロ大統領は2018年の大統領選挙では、中国に対する極端な不信感を繰り返し表明してきましたが、大統領就任後は中国に対する言葉をやや軟化させていました。
薬やワクチンの試験が一時的に中止になることは珍しくなく、大統領の中国嫌いに影響されたわけではないでしょう。
試験で何らかの問題が発見されたときに、研究者は問題の原因が薬やワクチンの副反応なのか、それとも単なる偶然なのかをトラブルシューティングすることができます。
少し前までは、製薬会社2社も米国での新型コロナワクチンの臨床試験を中止していましたが、現在は再開されています。
現在、ブラジルの首都ブラジリアを含む計6州が中国シノバック製ワクチンCoronaVacの臨床試験に参加しています。
このワクチンは中国が緊急使用プログラムで数十万人に投与している実験的な新型コロナウイルスワクチン3種のうちの1種で、中国の保健当局は、臨床試験で重篤な副反応は認められなかったと発表しています。
インドネシアやトルコなどでも臨床試験が進行中ですが、試験中止になるような問題は起きていません。
ワクチン開発での治験は、通常3つのフェーズを踏んで進められます。3つのフェーズを終了したところで、データを全てまとめて国に認可申請します。国の厳正な審査をパスし、承認されることによって初めて薬として認可されます。
新型コロナのワクチンは、ファイザー社が11月9日に「開発中のワクチンについて、有効性が90%を超えた」とする暫定的な臨床試験の結果を公表しました。
他にも開発中のワクチンは数多くあり、中国では12月に供給開始すると発表しています。
多くのワクチンが認可されることで、人類は新型コロナを克服できそうです。
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参考資料
<rfi>美国四个州还在点票 特朗普预计再提出多项诉讼
http*://bit.ly/38v3aa4