近い将来、中国がGDPで米国を抜いて世界トップの経済大国になることは、多くの認めていることです。では、中国は経済規模に見合った国際社会での地位を持っているのでしょうか。このような評論記事が朝鮮日報に掲載されました。
専門家にとっては、近い将来、中国が米国を抜いて世界トップの経済大国になることは確定した事実です。では、中国は経済規模に見合った国際社会での地位を持っているのでしょうか。
朝鮮日報の記事を引用して、フランスの国際メディアrfiが報じたところによると、世界で最も影響力のある経済学者と言われる米ハーバード大のロバート・バロー経済学教授は、答えは「NO」と考えています。
バロー教授は中国はGDPが米国を上回っても超大国になることはできないだろうと言います。
11月11日に朝鮮日報が主催した、第11回アジア・リーダーシップ・コンファレンス(ALC)では、国際経済学者でハーバード大学のロバート・バロー教授と世界経済研究所のチョン・クァンウ会長との間で対話が行われた。
11日に朝鮮日報が主催した第11回アジア・リーダーシップ・コンファレンス(ALC)では、バロー教授は、中国がGDPで米国を上回っても、米国から超大国の地位を奪うことはできない、と述べています。
その理由として、世界のリーダーシップは、GDPで表現される経済の規模ではなく、一人当たりのGDPで表現される国民の生活の質に密接に関わる指標であるとしています。
中国が2030年代にGDPで米国を上回ったとしても、一人当たりのGDPでは米国を上回ることはできないだろうと、バロー教授は述べています。
国際通貨基金(IMF)によると、中国の今年の一人当たりGDP予想は1万839ドルで、米国6万3051ドルの5分の1に過ぎません。
バロー教授が一人当たりGDPを重視しているのは、国が真の大国になるためには、経済力や軍事力などのハードパワーだけでなく、学問や芸術、文化などのソフトパワーも必要だからですが、バロー教授は、このソフトパワーは福祉や人権などの国民の生活の質からくるものだと指摘しています。
バロー教授は、「中国はまだ均衡のとれた地域成長を達成していない。 中国の拡大主義的な外交政策と支配体制もまた、世界的なリーダーシップの足かせになるだろう。」
また、バロー教授は米国で政権交代があっても、米国政府の対中政策は大枠では変わらないと見ています。「バイデンは自由貿易の開放を好むが、中国については国家安全保障と技術流出の懸念がある 」
バイデン政権は不透明なところがありますが、現在の関税は撤廃するそうですし、ファーウェイ始め中国企業への制裁的処置も大幅に緩和するそうなので、中国の経済発展は弾みがつくだろうと思います。
しかし、14億の人口をもつ中国で一人当たりGDPが米国6万ドル以上になるって、GDP84兆ドルです。現在の世界全体のGDP総額80兆ドルを上回らなければ達成できませんね。
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参考資料 *>s
http*://bit.ly/3lucz5m