11月17日(日本時間)にハワイ沖で行われた迎撃実験で、米軍の艦上迎撃ミサイルが、大陸間弾道弾(ICBM)の迎撃撃墜に成功しました。迎撃実験は当初5月に予定されていましたが、新型コロナ流行の影響で延期されていました。
アメリカ国営の国際メディアである美国之音(VoA)の報じたところによると、ハワイ時間の11月16日19時50分(日本時間17日14時50分)に、大陸間弾道弾(ICBM)の迎撃実験がハワイ沖で実施されました。
FTM-44と名付けられた迎撃実験では、ハワイ西南西にあるマーシャル諸島クェゼリン環礁のロナルド・レーガン弾道ミサイル防衛試験場から、敵の大陸間弾道ミサイルICBMを模したターゲットミサイルが発射され、ハワイに向かいました。
イージス弾道ミサイル防衛システムを搭載した米国海軍イージス駆逐艦USSジョンフィンは、C2BMC(指揮管制戦闘管理通信システム)を介して早期警戒衛星の追跡データをを取得し、SM-3ブロックIIAミサイルを発射し、目標の破壊に成功しました。
<迎撃ミサイルが命中した瞬間>
SM-3ブロックIIAは日米が共同開発しおり、開発実験FTM−44は今年5月に実施する予定でしたが、新型コロナ感染症流行の影響による人員・機材の移動制限のために延期されていたということです。
試験は米国が単独で実施し、防衛装備庁や開発担当など日本側関係者は参加していないとのことです。
米国が大陸間弾道ミサイルを陸上ミサイル以外の兵器で迎撃に成功したのは初めてで、米国はミサイル防衛システムの高度化を進めたことになり、脅威が高まっている中国からの中距離弾道ミサイルに対抗するための突破口と考えられています。
迎撃実験の成功は、「SM-3ブロックIIA型を搭載したイージス弾道ミサイル防衛システム駆逐艦が大陸間弾道ミサイル目標を破壊する能力があることを実証した 」とミサイル防衛局局長のヒル海軍中将は述べています。
中国メディアは実験の成功に対して、『戦争の規則を変えてしまった。誰も米国本土を打倒できなくなった』と非難しています。
『大陸間弾道ミサイル(ICBM)は迎撃が不可能に近く、ICBMの所有者は敵を破壊する能力を持っている。平和は「相互確証破壊」に基づいてのみ成り立つものであるので、ある国が敵のICBM攻撃を防ぐ能力を持つことは、軍事バランスを崩すことだ』と主張しています。
中国メディアの主張を要約すると、「世界の平和が維持されているのは、破壊の相互保証があるためなのに、米国はそのルールを破ってしまった」ということです。
核保有国同士は、核兵器を使うと相手からも核で反撃されるので、核攻撃しなくなり、結局平和が保たれるということです。
大国同士は直接戦火を交えることはないかもしれませんが、ちょっかい出されて領土を掠め獲られる周辺国は溜まったものでは有りません。
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参考資料 *>s
<美国之音>美國首次使用艦載導彈成功攔截洲際彈道導彈
http*://bit.ly/3lKZgxu
<網易>改变战争规则!美军成功拦截洲际弹道导弹,无人再能打到美国本土
http*://bit.ly/36Ptklp