今年10月に湖北省荆州中級人民法院は、刑務官が賄賂を受け取り、暴徒と共謀したと発表しました。刑務官は刑務所内での特権を使い、巨額の現金や大量の白酒が持ち込まれ、刑務所内でギャンブルが行われ、パーティが開かれていました。
中国のニュースメディア中国網(チャイナネット)によれば、10月19日、湖北荆州市中級人民法院は荆州刑務所内で、服役中の王世兵から賄賂を受け取り、様々な便宜を図っていたとして刑務所の5名の刑務員を処罰したと発表しました。
刑務員たちは、外部から大量の現金や白酒を持ち込み、王世兵に渡し、刑務所内でカジノやパーティを開くのを見逃していました。
王世兵はその様子を、刑務員の携帯電話を使ってSNSに、600件にも及ぶ投稿を繰り返していました。
1971年生まれの王世兵は湖北省荊州監利県出身で、黒社会の団体を組織し、2008年12月に殺人、賭博、恐喝、トラブル挑発などの重罪で終身刑を言い渡され服役しました。
その後、2011年9月には湖北高等裁判所の裁定により、懲役20年に減刑され、さらに2013年、2017年の2回の荆州中級裁判所の裁定により、罰金5万元(約80万円)と引き換えに有期刑が合計1年7ヶ月減刑されました。
荆州中級裁判所の2回の裁定には、王世兵から賄賂を受けた5人の刑務官が動いたとされています。
王世兵は2009年から2018年まで、合計3万4千元(約54万円)相当の金銭や物品を刑務官に送りました。
王世兵は賄賂の見返りに減刑を受けましたが、荆州中級裁判所の2017年の裁定理由として、2013年第2四半期から2016年第3四半期までの間に、計7回の服役表彰、2回の功労賞、1回の省刑務所改革活動家の表彰を受けたことを挙げていました。全て賄賂の結果受けた表彰です。
湖北省人民法院は2020年8月24日に、荆州中級裁判所に対して王世兵に下した2回の減刑は不適切であるとして再審を勧告しました。荆州中級裁判所は審理の後2020年9月25日に、2つの減刑判決を取り消しました。
判決によれば、王世兵の刑期は2031年9月25日までとされました。2011年9月の無期懲役から懲役20年への減刑は有効のままです。
中国では様々なことが賄賂次第でどうにでもなると言われていますが、服役囚が刑務所内でギャンブルに興じてどんちゃん騒ぎするのも見逃されるだけでなく、刑期まで賄賂で短縮できるのですね。
習近平総書記の腐敗撲滅運動で、『虎も蝿も叩く』汚職潰しで地方政府の賄賂はめっきり減りましたが、刑務所内では賄賂が万円していたのですね。
参考資料 *>s
<中国網>湖北荆州市中级人民法院披露一起案件 有酒喝有钱赌还能发朋友圈起底黑老大的监狱风云 目前多名狱警被查
http*://bit.ly/3fqXmQ6
<希望之声>中國監獄爆誇張特權 偷渡現金開賭、400斤白酒開派對
http*://bit.ly/3kVBw8L