中国社会科学院の蔡芳副院長は北京日報に発表した記事で、家族が「自主的に自分の子どもを持つ」ことができるようにするために、中国の出産政策を改革するよう呼びかけた。
蔡芳副院長は北京日報に投稿した、『出生率をよりバランスのとれたレベルに近づける』と題した記事で、家族が一日も早く自分の子どもを持てるように、第14次5カ年計画の中で少子化対策の改革を着実に進めるべきだと指摘しました。
来年から始まる第14次5カ年計画の期間中、中国は少子化で人口増加が減少する傾向を継続し、予想よりも早く人口増加のピークと人口減少を迎える可能性さえあると指摘しています。
記事の分析によると、中国の合計特殊出生率は世界平均の2.41を下回っているだけでなく、高所得国の1.6を下回っています。
1979年に始まった一人っ子政策のために、1990年代初頭には合計特殊出生率が代替水準の2.1を下回っていました。代替水準とは人口が増えも減りもしない横ばいになる水準のことです。
2000年の第5回国勢調査では合計特殊出生率は1.22。2005年の1%人口サンプル調査では1.33。2010年の第6回国勢調査では1.18となり、高所得国の1.60や高中所得国の1.90を大きく下回っています。
2015年には一人っ子政策の終了を決定し、2016年には「二人っ子政策」を全面実施しましたが、出生率が改善したのは2016年だけで、その後は再び下降軌道に入り、2019年の中国の自然人口増加率は千人当たり3.34人で、中華人民共和国史上最低の水準となりました。
年別出生者数は次の通りです。
2016年 1786万人 +131万人
2017年 1723万人 -63万人
2018年 1523万人 -200万人
2019年 1465万人 -58万人
中国の人口増加は年々減速し、総人口はピークに近づき、少子高齢化の著しい加速は、経済、社会、人々の生活に深刻な課題を突きつけることになります。
中国共産党は長年、高齢者の負担や高額医療費の問題を解決できずにいます。中国の年金が次々と不足している今、定年を遅らせることはすでに規定の路線とも言えます。
蔡芳副院長は、人口増加の減少傾向に歯止めをかけるために、家族が自分の子供を持てるように出生政策を最適化すべきだと提案し、年金保険モデルや退職金制度と一体化させるべきだと強調しました。
最近中国の少子高齢化問題が、中国内外で多く報じられています。日本も他人事ではない問題ですが、経済的に豊かにならなければ、産み育てるのは無理でしょうね。
中国の場合は、海外に住む華人を呼び戻すだけでも、かなり効果があるのではないでしょうか。習近平の娘も確かアメリカ在住でしたね。
[一緒に読みたい記事]
参考資料 *>s
<北京日報>社科院副院长蔡昉:老龄化减速经济是一种可预见的“灰犀牛”
http*://bit.ly/2KHA0dT
<澎湃新闻>蔡昉:十四五应稳妥推进生育政策改革 尽快实现家庭自主生育
http*://bit.ly/3m8sN4o
<自由亜州電台>中国人口迅速老化 社科院呼吁放开生育
http*://bit.ly/35YPdzw