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中国李克強首相が「真実を語れ」と発言 誰に向けて言ったのか

中国の李克強首相が会議の冒頭で「真実を語れ」と異例の呼びかけ。テレビ座談会で出席した地方自治体の首長に向けた言葉は、習近平総書記に向けられたものと受け止められています。北京で習近平李克強の対立が激化しているのでしょうか。

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   中国の李克強首相は、1129日に主宰した経済状況テレビ会議で、出席した地方自治体の首長に自由に発言するよう求め、「真実を語ってこそ、現実的な対策が思いつく」と強調しました。

 

  この発言は会議への出席者を皮肉ったものと思われていましたが、実は習近平に向けられたものだったと、アメリカに拠点を置く国際メディアの自由亜州電台(RFA)が分析しています。

 

  会議の前日に新華社通信は、貴州省政府が貴州省の最後の9つの貧困県について、貧困県脱出の基準を満たしたと発表し、これにより通称「国家レベルの貧困県」と呼ばれる832の貧困県が貧困からの脱却を果たしたと報じました。

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  新華社通信は、習近平の目標である「完全な貧困脱却」が正式に達成されたと主張し、「貧困に苦しむ県」という言葉は正式に歴史に捨てられたと付け加え、習近平総書記を称えていました。

 

  李克強首相の「真実を語ってこそ、現実的な対策が思いつく」という言葉が、会議出席者ではなく習近平に向けたものだということが、どういうことか想像を逞しくしてしまいます。

 

  新型コロナの大流行により中国経済は大打撃を受けました。流行によって引き起こされた経済不況は、短期的には多くの人々の生活に影響を与えています。

 

  このような異常な時期に「完全な貧困脱却」が正式に達成されたという報道は、多少の常識があれば誰にでもわかるはずだが、それは幻想であると、自由亜州電台(RFA)の記事は述べています。

 

  大学新卒生の3分の2が就職できないと言われ、北京・上海・深圳等の大都市では仕事に溢れた人々に露店が推奨されたり、出稼ぎの農民工が仕事が見つからずに農村に帰ったりしています。

 

  大都市でさへこん状態なのですから、貴州省などの貧しい山間部が貧困から脱却したというのも、にわかには信じ難いことです。だからこそ、李克強首相は「真実を語る」ように求めたのです。

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  中国国務院貧困脱却発展グループ事務所の夏更生副所長は、全貧困郡を貧困から脱却したことは、国家の貧困脱却目標が完全に達成されたことを意味するものではない、と述べています。

 

  夏更生によると、省レベルで貧困からの脱却を宣言した後、貧困脱却効果評価の無作為検査を受け、基準の正確性や結果の信憑性をテストし手から出なければ、完全な貧困撲滅が達成されたかどうかは判断できないとしています。

 

  李克強首相が地方自治体の首長に「真実を語れ」と言ったのも、「完全な貧困撲滅の取り組みが正式に完了したのか」判断するためには、正しい報告が必要だと伝えたかったのです。

  「貧困との闘い」は、習近平総書記が党全体のために掲げた政治活動であり、実は習近平自身が3期目の就任を目指す上で必要な大きな成果であることがわかっています。

 

  普通なら各地方自治体は、習近平が満足する報告を上げたいと考えるはずです。李克強の発言はそれを否定しているのですから、共産党内に習近平に対する対抗勢力が残っているからなのか、李克強が定年間近なので政局を気にしていないからなのかはまだわかりません。

 

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