今週は中国当局と财新が11月のPMI指数を発表しました。製造業PMIは共に10月を大幅に上回り、製造業のしっかりした回復を示しています。 公式の数字を見ると、まだまだ需要が不足しており、雇用市場が圧迫されている状態が続いています。 一方、财新の専門家は、新型コロナ流行による落ち込みからの脱出時の緩和策は着実に実施すべきだと注意を促しました。
12月1日に発表された财新の製造業購買担当者指数PMIによると、中国の工場生産活動は11月に過去10年で最も速いペースで拡大したと、ドイツ国営の国際メディアの徳国之声が報道しました。
製造業PMIは、その国の工場の生産活動を示す重要な指標であり、财新の調査には中小企業も含まれています。大規模な国有企業に焦点を当てた政府の公式数字よりも、中国の経済状況をより正確に反映しているという意見もあります。
11月の财新製造業PMIは54.9と予想を上回りました。事前の予想は10月と同じ53.6前後とされていました。 この数字は2010年11月以来の高水準です。PMIは50以上は成長を意味します。
財神のデータによると、11月の製造業の受注指数は10年ぶりの高水準に達し、輸出受注(海外からの受注)は、内需をわずかに下回るものの、拡大基調を維持しています。
财新によると、調査対象となった企業の中には、市場の旺盛な需要を受けて雇用を増やし始めた企業が増えているため、11月の雇用指数は2011年6月以来の高水準を維持しました。
财新のアナリストは、新型コロナ流行による経済の落ち込みからの回復が数ヶ月間続く一方で、国内外にはまだ不確実性が多いため、経済緩和政策を撤回するためには、より慎重な設計が必要であることを指摘しています。
中国国家統計局は財新に先立ち、11月30日に公式PMIの数字を発表し、11月の中国の工場生産活動が最近3年間で最も速いペースで拡大したことを示しました。
中国国家統計局発表の11月の公式製造業PMIは52.1と、10月の51.4から上昇し、2017年9月以来の高値となりました。予想値の51.5も上回りました。
11月の製造業PMIが上昇し、サブ指数も総じて上昇したことで、製造業の全面的な回復がより明確になったとの見方を示すものの、データ上ではまだ需要が不足しており、内需拡大に向けた政策支援を強化する必要があると指摘する経済アナリストもいます。
日本の某証券会社のアナリストによると、中国経済の堅調な成長を示す強いPMIを受けて、今年第4四半期の経済が前年同期比で最大5.7%成長することを予想しています。
今年第3四半期は前年同期比4.9%の成長を達成しており、今年初めの深刻な経済収縮とは対照的な様子を示しており、中国経済は今年も2%程度の成長が見込まれているという。
中国国家統計局発表の、大企業や国有企業を中心とした公式PMIでは、11月の新規輸出受注のサブ指標が51.5と、10月の51.0から上昇したことが示されました。
中国の輸出部門は、医療用品や電子機器の旺盛な外需の恩恵を受けており、これまでのところ驚くほどの回復力を見せています。
しかし、現在人民元高が進行しつつあり、さらに欧米など中国の主要貿易相手国が、新型コロナの再流行によるロックダウンにより、中国の輸出に下落圧力をかける可能性もあります。
中国国家統計局の一部のアナリストには、繊維・アパレル業界のPMIが低いままで、製造業の回復はまだ不均一であると指摘しています。
中国国家統計局の製造業以外の11月のPMIを見ると、サービス部門の公式PMIは56.4で、10月の56.2とほぼ横ばいでした。
11月の建設PMIは60.5で、10月から0.7上昇しました。中国は景気回復のためにインフラ整備を急ピッチで進めています。
中国国家統計局の公式データでは、製造業の工場では7ヶ月連続で人員を削減しており、雇用市場には下落圧力がいまだに残っていることを示しています。
中国経済の状況は、『既に不況を抜け出して成長している』、『未だ不況で、失業率が高いままだ』と相反する情報が出てきますが、この記事は『景気は良くなっているが、雇用はまだ回復していない』と言っています。
各企業は、注文が増えているけど、将来は不透明なので雇用を増やさずに、今いる従業員だけで乗り切ろうとしている、ということなのでしょうか。
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参考記事 *>s
<徳国之声>中国经济PMI:工业增速强劲 就业压力仍存
http*://bit.ly/3gaRXNq
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