米国国務省は、中国共産党幹部や中国共産党の活動に携わる人々の米国入国を禁止しました。米国は、中国を一党独裁国家として支配する中国共産党と中国国民全体を区別するために、具体的かつ効果的な行動をとっていると考えるアナリストもいます。
マイク・ポンペオ国務長官は11月4日(金)の声明で、入国禁止には、「身体的暴力を用いたり脅迫したり、個人情報を盗み出したり漏らしたり、スパイ活動に従事したり、米国の国内政治、学問の自由、個人のプライバシー、商業活動を妨害したり悪意を持って妨害したりした」中国共産党幹部や中国共産党で活動する個人が含まれていると発表しました。
米国国務省は11月3日に、中国共産党員とその直系家族のビザの有効期間を従来の10年から1カ月に短縮し、シングルエントリーの渡航に限定する新たな規則を発表しました。
フランス政府が設立した国際メディアのrfiの報道によりますと、当局は中国共産党がプロパガンダや経済的恐喝などの下心の動機でアメリカ人に影響を与えようとしていたとし、「悪意のある影響力」からアメリカを守るための動きだったと説明しています。
今年10月には、米国移民局は新しい移民政策ガイドラインを発表し、共産党や他の全体主義政党のメンバーは、特別な許可を得た場合を除き、米国での永住権や市民権を請求することが禁じられているとしていました。
中国政府は、共産党幹部とその近親者に対する米国の厳しい措置に非常に敏感に反応し、怒りを感じています。
中国外交部の華春瑩報道官は5日の記者会見で、「アメリカ側の一部政治屋は恣意的に中国共産党を悪者扱いして、悪意を持って攻撃し、中国共産党と中国国民の関係を切り裂いている」と非難しました。
趙立堅報道官は以前に、「中国人民は共産党のために銃弾を止める盾になる意思がある」とツイートし、強い批判を巻き起こしています。
習近平共産党総書記は、米国の動きが非常に深刻な動きであることを認識しており、9月3日には「誰のどんな力であろうとも中国共産党と中国人民を分離して敵対させようとする行為を、中国人民は絶対に受け入れない！」と表明しています。
アナリストによると、米国は中国共産党政権の弱点を狙っていると指摘しています。中国共産党は昔から、権力エリート及び利権団体と、選挙をできない人民との結びつきが、当局が主張するような強い結びつきとは程遠い場所にあるとも指摘しています。
中国共産党の党員数は9000万人以上と膨大に聞こえますが、実際には官僚の梯子を必死に登ろうとする日和見主義的な利権屋が多く、いわゆる共産主義を本気で信じている人はほとんどいないとrfiは報じています。
米国が共産党と中国人民とを明確に区別し、それに伴う政策や措置を講じることに、中国共産党が敏感に反応し、強い警戒感と不安を抱いているように見えるのは、急所を疲れているからかもしれません。
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