昨年来豪中関係が悪化する中で、中国の重要な輸入品である豪州産鉄鉱石が、豪中両国の懸念材料となっています。
2020年5月以降中国が、オーストラリア産の牛肉、ワイン、石炭などを輸入制限したことに対し、オーストラリアは中国への鉄鉱石の供給を断つという最高の対抗兵器を持っていると、アメリカに拠点を置く国際メディアの自由亜州電台は報じています。
報道によれば、中国の工業生産にとってオーストラリアの鉄鉱石は重要な位置を占めていることは、中国も認識しています。
オーストラリア産の石炭を輸入禁止にした報復で、鉄鉱石の価格を上げたために、中国のオーストラリアからの輸入金額は石炭禁輸以前よりも却って増えたとの噂もあるくらい、中国にとってオーストラリアの鉄鉱石は無くてはならない物資となっています。
中国も黙っているわけではなく、2020年以降、オーストラリア産鉄鉱石への依存から脱却するために、鉄鉱石の輸入を多様化することを推し進めています。
2020年4月から9月までの間に、インドから累計190万トンの鉄鉱石を輸入しており、インド鉄鋼の最大の買い手となっています。
同時に、ブラジルやアフリカからの鉄鉱石輸入をさらに増やすために、山東省と福建省に超大型鉄鉱石運搬船の専用ターミナルを4つ新設する計画です。
中国はアフリカのいくつかの鉱山の開発にも投資しており、これらの開発が成功すれば、中国は鉄鉱石の面でもオーストラリアに頼る必要はないと考えるアナリストもいます。
昨年5月18日の世界保健総会(WHA)で、新型コロナウイルス起源巡る独立調査決議案が可決されると、発案者のオーストラリアに対して中国が激怒!
直ぐに牛肉輸入禁止、大麦への関税上乗せを決定、留学、旅行を禁止しました。さらに11月には木材を輸入禁止にし、ワインに212%の関税を上乗せし、12月にはラム肉、石炭を輸入禁止にしました。
これ以外にもロブスターなどの海産物を、「通関手続きの遅れ」と称して港に長期間放置して腐らせてしまったり、中国のオーストラリアへの嫌がらせは今も続いています。
それでもオーストラリアには鉄鉱石という切り札があり、中国は供給源の多元化によって切り抜けようと懸命です。
中国の一方的な報復がなければ必要の無い努力です。輸入制限の皺寄せは結局一般国民に押し付けられます。
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参考記事 *>s
<自由亜州電台>中国欲摆脱对澳洲铁矿的依赖 提高自给率
http*://bit.ly/3okWdgP