中国の電子商取引大手拼多多の男性従業員が、湖南省長沙市で飛び降り自殺しました。 この1週間で2人の社員が不慮の死を遂げています。
拼多多はすでにこの男性が、谭と名乗る社員であることを確認しました。 谭某某は、昨年7月8日に拼多多に入社し、技術開発エンジニアとして働いていました。
直前に試用期間を過ぎたばかりで、昨年12月30日に正規社員への転換手続きを完了したばかりだったそうです。
拼多多の広報担当者は、「彼の悲劇的な死に深い哀悼の意を表し、地元当局の最終的な調査結果を待っています。同社は谭某某氏の死去の善後処理に全面的に協力していきます。」との声明を発表しました。
この事件とは別に、昨年12月29日には、拼多多の23歳の社員が深夜に退社後、帰宅途中に突然倒れて死亡する事件が発生しました。
そして、1月11日には、職場で倒れた二人の社員が救急車で運ばれて行く動画が、微博(中国のTwitterのようなSNS)に投稿され、「二人の拼多多烈士が倒れました」とのコメントが添えられていました。
投稿者は微博ネーム「王太虚」と名乗る拼多多の従業員で、1月7日朝、職場で救急車に運ばれている2人の従業員を見て動画を撮ったそうです。
王太虚は、動画を投稿したことが会社にバレて解雇されたと語り、会社の労働条件の悪さは、社内の社員が肌で知っていることだと指摘しました。
部署によっては月に300時間以上の労働を義務付けているところもあるそうで、急死した従業員が働いていた多多买菜は月に380時間以上の労働を強いられることすらあったといいます。
相次ぐ事件は、拼多多の従業員が直面している過酷な労働圧力と生活環境を暴露し、朝9時から夜9時まで1日12時間、週6日勤務するという「996」の労働時間をめぐって、新たな議論を巻き起こしました。
中国の労働法では、労働者に1日8時間、週5日の労働を規定していますが、実際にはほとんどの企業、特にハイテク企業では、労働者に長時間のサービス残業を義務付けています。
これは、注目度の高いアリババも、電子商取引企業の京東も同様です。 アリババの創業者であるジャック・マー氏と京東の創業者である劉強東氏もまた、996労働制への支持を公に表明しています。
「従業員には企業の成長と家族の幸せのために働くという貴重な機会を大切にしてほしい」と呼びかけているそうです。
王太虚が996に反対して投稿した写真や動画には多くの人がコメントを寄せており、前世代の労働者のように残酷な労働条件を受け入れないよう若い労働者に忠告しています。
しかし、中国当局は996勤務に関するSNSでの議論の規制を強化しており、996に不満を抱き、法的な労働権を守ろうとする若いプログラマーからの抗議を防ごうとしています。
王太虚が投稿したとする「拼多多社員が救急車で運ばれる」は百度で検索しても見つかりませんでした。すでに削除されたのかもしれません。
また拼多多によると、王太虚と名乗るこの従業員は、救急車の写真をオンラインに載せたことではなく、過去にソーシャルメディア上で社内の行動規範に違反する「過激なコメント」をしたことで解雇されたと説明しています。
日本でも過酷な長時間労働を強制されて、過労死や自死に追い込まれた話を聞くこともありますが、中国の労働環境も負けず劣らずかなり過酷です。
新型コロナによる経済停滞で雇用環境が悪化し、失業率も増加しているので、従業員を絞れるだけ絞ろうとする経営者も多いのでしょう。
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参考記事 *>s
<美国之音>拼多多一名工程师跳楼自杀，“996”工作时间再次引发争议
http*://bit.ly/2K8x9uD
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