中国の多くの地方自治体の人口動態データは、中国の出生率が急激に低下していることを示しています。専門家は中国が超高齢化に直面することを危惧しています。
自由亜州電台(RFA)の報道によりますと、中国の一部の地方自治体が発表した出生統計を見ると、全国の出生数が減少し、地方によっては2019年に比べて32%も急落しています。
北京大学光華管理学院の梁建章教授は最近、国家の人口崩壊が到来したとし、出生率を大幅に高めることができなければ、この衰退は底なしになると指摘しています。
データによると2020年度の浙江省温州市(人口約910万人)の出生数は約7万3230人で、2019年度に比べて19.01%減、安徽省合肥市の出生数は2019年度に比べて約23%減、浙江省台州市は出生数は2019年度に比べて32.6%減でした。
梁建章氏は財経誌に寄稿した記事の中で、出生率を根本的に高めるためには、まず出生率政策の転換、住宅コストの引き下げ、税率の引き下げなどを行うべきだと提言しています。
ウィスコンシン大学マディソン校の研究者で中国の人口研究の専門家でもある易富賢氏は、出生率が全国よりも低い東北地方(黒竜江、吉林、遼寧)を例に挙げ、「今日の東北は明日の全国」と警鐘を鳴らしています。
国家統計局のデータによると、2019年の東北3省の出生率はわずか0.61%で、老齢化率世界一の日本の同年の出生率0.68%よりもさらに低くなっていました。
東北地方のGDPの全国に対するシェアは、1980年の13.1%から2010年9.1%、2020年にはわずか5.0%に落ち込んだ理由の一つは、高齢化によるものだと、易富賢氏は強調しています。
易富賢氏は、「中央政府は2021年から2035年までの年間成長率は4.7%になり、2035年には経済規模が2倍になると予測しているが、高齢化により2025年以後は経済成長率は下がり続けるだろう。」と述べています。
中国では1979年から2015年まで実施された一人っ子政策のために、少子高齢化が進み、2019年には高齢者人口は2億5千万人を超え、総人口に対する割合が18.1%に達しました。2016年以後は二人っ子政策へと転換しています。
高齢化率世界一と言われる日本は、高齢者人口の総人口に占める割合は28%なので、日本の方が高齢化が進んでいますが、近い将来に中国が追い抜くと言われています。
一人っ子政策が廃止された2016年以後も出生数は回復せず、2016年の出生数は前年より増加したものの、それ以後は毎年減少しています。
2016年 1786万人 +131万人
2017年 1723万人 -63万人
2018年 1523万人 -200万人
2019年 1465万人 -58万人
出生数の低下は生産年齢人口の減少を引き起こします。2050年の中国の労働力の規模は、2019年に比べると23%も縮小すると予測する機関もあるそうです。
少子高齢化は日本の方が中国に先行しており、日本では労働力不足を外国人労働者の受け入れで補っています。
中国はどのように対応するのでしょうか。結婚の低年齢化でしょうか。三人目の黙認はすでに行われているようですが。
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参考記事 *>s
<自由亜州電台>专家惊呼:中国人口塌陷已经到来
http*://bit.ly/3aIjbcf