メディア界での英中紛争が勃発しました。中国当局はBBCワールドニュースを中国内で放送禁止しましたが、香港電台(RTHK)も追随して、BBCワールドニュースとBBC時事週報の放送を停止しました。英国は中国公式の中国環球電視網(CGTN)の放送許可を取り消し、ドイツも追随してCGTNの放送を停止しました。
香港電台(RTHK)は2月12日にウェブサイトで、中国国家放送電視総局(CMG)の通達により、「BBCワールドニュースチャンネル」と「BBC時事ウィーク」を放送しないと表明しました。
米国の非営利団体「フリーダムハウス」のシニア・リサーチ・アナリストであるアンジェリ・ダット氏は、以下のような懸念を語っています。
「中国はBBCを放送禁止にしたが、中国にいるBBCの記者を、強制送還などの報復措置を取るのかに注視しなければならない。中国がRTHKに命じてBBCの放送を停止したことは、香港の報道の自由にとって非常に悪い兆候であり、香港の状況の悪化はさらに深刻だ。」
中国や香港がBBCを禁止したことに対して、欧州連合(EU)は中国に撤回を求めるとともに、RTHKもBBC放送停止に至ったことに懸念を表明し、「一国二制度」の崩壊の一例だと指摘しました。
英国情報通信庁(Ofcom)は、中国環球電視網(CGTN)は中国共産党に支配されているとし、英国の法律を遵守していなかったとして、CGTNの英国での放送免許を取り消したと発表しました。
これは中国のBBC禁止に対する報復処置と受け止められています。
ボーダフォン・ドイツは2月12日、CGTNが英国の放送許可を取り消されたことを受け、ドイツのケーブルネットワークでのCGTN番組の放送を停止したと発表しました。
CGTNがドイツで放送できていたのは、欧州数カ国間で行われてきたライセンス・シェアリング契約のもと、英国での放送を許可されていたからドイツでも放送できたからです。
ドイツでのCGTN放送禁止は、ドイツ政府の決定ではありませんが、CGTNがドイツで放送を継続したい場合には、新たなライセンスを申請しなければなりません。
中国でのBBC放送禁止は、BBCがウイグルでのジェノサイドを報道したことが理由ですが、RTHKが中国の命令によりBBC禁止に追随したことで、『一国二制度』の崩壊が明確になり、香港はすでに中国の地方都市の一つにすぎなくなったことを世界に広める結果となってしまったようです。
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参考記事 *>s
<自由亜州電台>中国禁BBC 德国跟随英国禁中国的CGTN
http*://bit.ly/3qkvou6