中国による台湾圧迫が続いています。中国人民解放軍は南シナ海の東沙諸島(台湾領)北部で軍事演習を行い、20日には中国軍機11機が演習参加後に、台湾南西防空識別圏に侵入しました。
台湾国防部の発表によると侵入した中国軍機は、殲-10(2機)、殲-16(2機)、殲轟-7(4機)、轟-6K(2機)、運-8対潜哨戒機(1機)の合計11機で、2月としては最大規模、1月23日の13機、24日の15機に次ぐ規模でした。
東沙諸島は南シナ海の北東部に位置し、国際航路の重要な交通拠点となっている南シナ海の四大島の一つで、台湾が実効支配しています。行政区としては高雄市七金区となります。
東沙諸島位置
東沙島(プラタス島)だけが島で、空港がありますが規模が小さいため、台湾海兵隊員、台湾海岸巡防署(日本の海上保安庁にあたる)の職員や研究者が常駐しているだけで、一般住民は住んでいません。
東沙諸島は台湾島からは410km離れていますが、中国本土の広東省汕頭市からは260kmの近さです。約500名の台湾軍海兵隊員が守備隊として駐留しています。尖閣諸島を無人島としている日本とは防衛意識の違いが感じられます。
台湾の蔡英文政権は2月19日に、米陸軍士官学校出身の邱国貞氏を国防相に任命するなど、国防のトップの再編成を発表しました。これは中国共産党の軍事的挑発や脅威の増大に対応して、台湾の軍事近代化や諜報活動を強化するためとしています。
台湾を支援する米国の動きは、2月5日には米軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦マケイン(DDG-56)が、航行の自由作戦として西沙諸島へ侵入しました。これはバイデン新政権発足後初の関連行動です。
2月17日にはミサイル駆逐艦ラッセル(DDG-59)も南沙諸島(スプラトリー諸島)で航行の自由作戦を行っています。
バイデン大統領が副大統領を務めたオバマ政権の時には、ユルユルの対応で中国の海上進出を許してしまいましたが、今のところは中国を牽制する動きを見せています。
これに対する中国共産党の動きですが、中国共産党政治局の楊潔智外務担当委員は2月2日に、南シナ海や台湾は中国の不可分の領土、核心的利益であり、主権問題は触れてはならないと警告しています。
楊潔智外務担当委員の主張は、特に目新しいものではなく、米中二国間の関係の改善や対話の再開に大きな影響を与えることはないと考えている人もいます。
ミサイル駆逐艦マケイン
中国共産党は近年、台湾武力侵攻を口にして台湾を脅迫していますが、来年の北京冬季オリンピックまでは無茶なことはしないだろうと見られています。
中国当局としては米軍に介入させないように、米政権に対して様々なロビー活動を行なっていると思いますが、バイデンが大統領を辞任して、賀錦麗が新大統領に就任してくれることを望んでいるかもしれません。
「賀錦麗って誰だ?」って思いましたか。 カマラ・ハリスの中国名ですよ。
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参考記事
<希望之声> 中共南海军演 11军机扰台 2月来最大规模
http*://bit.ly/3dBt7XJ