ファーウェイの孟晩舟をめぐって、カナダの法廷で繰り広げられる米中代理戦争。弁護士は事件は米国とは関係ないと主張し、検察官は管轄件は米国にあると主張しています。
アメリカ国営の国際メディアの美国之音の報道から。
ファーウェイ最高財務責任者(CFO)孟晩舟の弁護士は、孟晩舟に対する米国の詐欺容疑は中国国内で発生したものであり、米国とは何の関係もないと主張しました。
また、弁護士は、孟晩舟がカナダから米国に引き渡されることは国際法に違反すると主張しています。
孟晩舟は2018年12月1日に、トランジットで立ち寄ったカナダ・バンクーバー空港で、米国政府の依頼を受けたカナダ当局によって逮捕されました。
米国は、ファーウェイがスカイコムという香港のダミー会社を使ってイランに通信機器を販売したことを告発し、米国の対イラン制裁を回避するために銀行に虚偽の申告をしたとして、孟晩舟を詐欺容疑で起訴しました。
米国とカナダの間には引き渡し条約があり、米国司法省もカナダに対して孟晩舟の引き渡しを求める要請を出しており、カナダのブリティッシュコロンビア州最高裁判所では、孟晩舟の身柄を米国に引き渡すかどうか審理中です。
3月29日に孟晩舟の弁護人であるギブ・ファン・エルト弁護士は、孟晩舟と銀行との会合は中国で行われたものであり、カナダや米国とは何の関係もないと述べています。
エルト弁護士は、「あの日、何らかの法律に違反したとすれば、それは中国の領土で起きたことであり、中国が管轄することだ」と述べています。
さらに、「香港のレストランで中国人である孟晩舟と英国銀行であるHSBCとの間に起こったことは、国際法上、米国とは何の関係もない」とも述べています。
これに対して検察当局は、「HSBCがファーウェイのために扱った金融取引は米ドル建てのシステムで行われており、厳密には米国の領土を通過することになるため、米国に管轄権がある」と主張しました。
しかし、エルター弁護士は、「米国がカナダで身柄引き渡し手続きによって彼女を取り押さえたことは、重大な違法行為であり、米国が身柄引き渡し手続きを濫用している」と非難しています。
法廷での議論はさらに数日間続く見込みで、その後審理は３週間中断されることになっています。
孟晩舟は、保釈が認められて以来、自宅であるバンクーバーの豪邸に閉じこもり、常に監視されています。
中国当局は、孟晩舟逮捕直後の2018年12月10日に、在中国カナダ人のマイケル・コブリグとマイケル・スペーバーを逮捕し、2020年6月にはスパイ容疑で正式に起訴されました。
中国で拘束された2名のカナダ人 コブリグ氏とスペーバ氏
これは、国際社会は孟晩舟の事件に対する報復との見方をしています。 しかし、中国は、カナダ人2名の拘束は孟晩舟の事件とは関係ないと主張しています。
カナダ人2名の裁判はスペーバー氏は19日に、コブリグ氏は22日に行われましたが、「判決は後日」とされ、まだ発表されていません。
中国は、カナダの裁判所が孟晩舟に有利な判決を下すように、プレッシャーをかけているつもりなのかもしれません。
孟晩舟がアメリカに引き渡された場合には、懲役30年以上の判決が下ると言われていますが、ファーウェイ幹部である孟晩舟の取調べで、どのような事実が明らかになるのか期待します。
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参考記事
<美国之音>律师称孟晚舟案与美无关，检察官：美国有司法管辖权
http*://bit.ly/3ubhFXX
<百度新聞>孟晚舟引渡案最新进展！辩方律师：将美国法律适用于中国公民是违法行为，法官可依法终止引渡程序
http*://bit.ly/3dozzzN
