中国で今年発生したアフリカ豚熱(ASF)により、中国北部の養豚業界では予想よりも多い20%の種豚が失われると予想されています。4月1日からは禁輸令が施行され、生きた豚の地域間移動が制限されるため、中国南部での豚肉価格の上昇が予想されています。
中国メディアの報道によりますと、2021年になって世界中の14の国と地域で、家畜豚で495件、野生猪で1972件、合計2467件のアフリカ豚熱(ASF)の発生が確認されています。
ASFは以前はアフリカ豚コレラと呼ばれた、豚や猪の感染病で、有効なワクチンも治療方法もないため、発症が確認されると殺処分しかない恐ろしい伝染病です。
なお、ASFは日本で流行していた豚熱(CSF,豚コレラ)とは全く別の病気で、日本での発症事例はありません。
2018年中頃から、中国をはじめアジア·アフリカの広い範囲で流行し、中国では1年で養豚頭数が半分に減ったと言われています。
中国内での豚肉価格も高騰し、市民の不満も高まっていましたが、不動産不況により養豚業に転じる不動産会社が続出するなどして、豚肉価格も落ち着きを取り戻していました。
ちなみにファーウェイも養豚業に進出しています。
しかし、今年に入って中国の北東部、華北、河南省でASFが再発し、飼料生産業界の関係者の話として、「中国の北部の種豚の少なくとも20%、場合によっては25%が影響を受けた」と明かしています。
中国第3位の豚の生産地である河南省では、種母豚の20~30%が失われ、中国の養豚業に大きな打撃を与えています。
4月1日から発効する禁輸令により、生きた豚の地域間移動が制限されます。これに伴い華南とその周辺の豚肉の状況は、供給過剰から供給不足へと徐々に変化し、豚肉の価格も大きく上昇することになると指摘されています。
中国は豚肉消費大国で、全世界の豚肉の1/4が中国で消費されています。その中国で豚肉不足になるのですから、国内需要を満たすために世界中からかき集めることでしょう。
昨年は中国が買い漁ったことで、世界中でマスク不足が起きましたが、今年は世界中で豚肉不足が起きるかもしれません。
今のうちに酢豚を食い溜めしておこうと思います。もちろん台湾パイナップル入りで。
[あわせて読みたい記事]
参考記事
<腾讯网>4月1日起“禁运令”生效,非洲猪瘟更捣乱,猪价大涨,3个问题
http*://bit.ly/3cMbzYo
<网易首页>疫情不停!今年全球14个国家、发生2467起非洲猪瘟疫情
http*://bit.ly/3ujh32B
<自由亜州電台>路透社:中国非洲猪瘟疫情超预期 北方存栏量损失20%
http*://bit.ly/3dpe55Q