アメリカのバイデン大統領は6月3日に、中国の軍事関連企業への投資を禁止する措置を強化・延長する大統領令に署名しました。この禁止令は前大統領の投資禁止令を引き継ぐもので、真に効果的なものにするためには、バイデン大統領が欧州や日本などの同盟国を説得しなければならなりません。
バイデン大統領は3日、トランプ前大統領が昨年署名した「中国軍と関係のある」企業への投資禁止令のリストにファーウェイ、ハイクビジョンなど中国メーカー5社を加える大統領令に署名しました。
バイデン大統領は中国の監視技術が中国国外で使用され、抑圧や深刻な人権侵害を助ける中国の監視技術の開発や使用が米国の国家安全保障にとって重大な脅威となると指摘しました。
この大統領令は、米国政府が中国の防衛・監視技術企業への国家的投資を禁止し、安全保障上の脅威となる中国企業を、米国企業が支援しないようにするとしています。
バイデン政権が前政権の投資禁止令に、新疆ウイグル自治区のウイグル人や香港の反体制派、世界中の中国人に対する監視技術の開発・使用に関わる企業を対象に追加したことで、バイデン政権が「権威主義対民主主義」と呼ぶ米中の戦いが激化したと指摘されています。
米政府高官によると、この新しい大統領令は、米国の企業や米国に拠点を置く企業が、中国の上場企業の株式や債券に投資することを禁止しており、 60日間の猶予期間が設けられ、8月2日に制裁が発動されます。直接、あるいはファンドやインデックスを通じて投資している米国企業は、1年以内に売却しなくてはなりません。
バイデン政権の投資禁止令では、中国のスマートフォンメーカーである小米科技(シャオミ)はリストから削除されました。シャオミはトランプ政権の指定を不服として提訴し、米国連邦地裁は米国政府の指定に「深刻な欠陥」があると指摘していました。
中国は14億人の国民を監視するために顔認識カメラやソフトウェアなどのツールの使用を増やしている一方で、関連技術を他国に輸出しています。
中国外交部の汪文斌報道官は4日の記者会見で、、中国企業への投資を禁じる新たな米大統領令に対して「断固反対」と反発するとともに、「必要な措置を取る」と警告しました。
中国は輸出管理法を施行し、商務部により「信頼できない企業」リストを作成しており、世界の2大経済大国が切り離されるのではないかという懸念が高まっています。
バイデン政権の新しい投資禁止令が、中国の監視技術の普及を阻止するのに機能するためには、バイデン大統領は欧州や日本などの同盟国を説得しなければなりません。
バイデン大統領は、来週イギリスで開催されるG7サミットに出席した後、北大西洋条約機構(NATO)の同盟国との会合に参加しますが、ここでは中国とどう向き合うかが重要な議題となることが予想されます。
バイデン大統領は就任後、初めての外遊となりますが、この会談に向けて、ドイツなど中国に輸出を依存している国からの抵抗があったといいます。
政財界は中国ベッタリと言われる日本は、どう対応するのでしょう。
[あわせて読みたい記事]
参考記事
<世界新聞網>拜登擴大「投資中企禁令」 紐時:意識型態鬥爭加劇
http*://bit.ly/3ijf4II
<美國之音>拜登签署行政令 禁止投资损害美国及盟友安全或民主价值观的中国公司
http*://bit.ly/2Rp0uo5
<徳国之声>拜登政府修订中国“涉军企业”实体清单
http*://bit.ly/3fOY4Zo
<多維新聞>拜登拟列更多“涉军中企”入黑名单 中美经贸再现阴霾
http*://bit.ly/3z60fPZ