ハンガリーでの反中国の波がエスカレートしています。上海復旦大学の分校設立に抗議して、ブダペスト市長が通りの名前を「ウイグル殉教者路」などと変え、数万人の人々が抗議デモに参加しました。
中国政府との密接な関係があるオルバーン首相率いるハンガリー政府は、中国当局のご機嫌取りで上海復旦大学の分校設立を決定しました。
一方で国民側は、中国からの借金がさらに増加すると公然と批判し、6月5日には中国政府による人権侵害と上海復旦大学分校設立に抗議する、少なくとも数万人の人々が抗議活動を起こし、 国会議事堂に向かってデモ行進し、デモ隊は「No Fudan(復旦)! 」「東側ではなく西側へ!」などのスローガンを掲げ、オルバーン政権が「共産主義者の友人」になったことを糾弾しました。
ハンガリーのオルバーン政権は今年4月に中国と協定を結び、首都ブダペストに約6,000人収容の復旦ブランチキャンパスを設置することで合意したと発表しました。
しかしこの動きは、ハンガリーの政界や国民から一斉に反発を招き、世論調査によると、国民の66%が復旦ブランチキャンパス設立に反対し、賛成したのは27%のみでした。
地元メディアの試算によりますと、復旦大学キャンパスの設立により、ハンガリーは少なくとも10億ドルの借金を中国から背負うことになるとのことです。
欧州諸国で初めて中国の「一帯一路」プロジェクトに協力したハンガリーですが、中国の借金地獄に呑み込まれることに反対する世論が強まっています。
このような中、反中派で知られるブダペスト市のカラクソニー市長はデモの3日前の6月2日に、抗議のため、復旦支部予定地付近のいくつかの通りの名前を「ダライ・ラマ」「ウイグル人殉教者」「自由香港」「謝仕光」(福建省の地下カトリック司教) に改名すると発表していました。
ハンガリーの動きに対して中国側は、中国外交部の汪文斌報道官は、通りの名前を変えたことは「不名誉なことだ」と非難しつつ、中国はハンガリーと良好な関係にあるとも述べています。
『環球時報』の名物編集長である胡錫進氏は、ブダペスト市のカラクソニー市長がハンガリーの小さな野党の党首であり、来年にはハンガリーの野党6党を代表して首相の座に挑戦するつもりであると指摘し、 そのためにトラブルを煽り、現政権の対中政策を攻撃し、復旦ブランチキャンパスについて有権者に誤解を与え、反感を抱かせる戦略だとやゆしています。
昨年までは欧州諸国は中国寄りというイメージが大きかったのですが、旧東欧諸国を中心に中国離れが目立ってきています。「一帯一路」の化けの皮が剥がれ、人権問題という中国共産党の闇が暴かれたからでしょう。
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参考記事
<自由亜州電台>匈牙利首都爆发万人示威游行 抗议设立复旦分校
http*://bit.ly/3v9EGLf
<腾讯网>匈牙利外长刚与王毅谈完,反华市长就跳到第一线!胡锡进一针见血
http*://bit.ly/3ip7KM0
<多維新聞>一石激起千层浪 复旦大学建分校为何引发匈牙利国内强烈反弹[图]
http*://bit.ly/3psQd75