カナダ政府は現在の香港の状況に懸念を示し、「ライフボート」プログラムをさらに拡大し、カナダで働いている香港人や母国で卒業したばかりの香港人に、カナダの永住権を得るための2つの新しい道を提供を発表しました。 香港政府は8月1日から新法に基づいて特定の香港人の出国を制限することができ、一部の香港人は香港を離れることができなくなります。
中華人民共和国の政治ニュースを専門的に扱っている多維新聞の報道より。
カナダ移民局は6月8日、香港人を対象とした2つの移民チャンネルを発表しました。
1つ目の移民チャンネルは、過去3年間にカナダの中等教育機関で学位プログラム、2年以上のディプロマ課程、1年以上の大学院課程を修了していることが条件となります。
2つ目の移民チャンネルは、過去3年間にカナダで少なくとも1年間のフルタイムの実務経験、またはパートタイムの場合は1,560時間の実務経験を積んでいることです。
応募期間は現在から2026年8月31日までです。
2月8日にカナダで初めて導入されたライフボートプログラムは、過去5年以内に香港での高等教育機関での学習を修了または学位を取得した香港人、または同等の外国の証明書を所持している香港人に、カナダの労働許可証を申請する機会を提供するもので、かなりの人気を博しています。
カナダ移民局は5月20日に、3ヶ月間で5,700件以上の申請を受けていると発表しています。
中国政府が香港の統治を強化し続けてきた結果、香港には移民を希望する人々が急増していると言われています。
カナダ以外で香港の窮状に手を差し伸べているのは、旧宗主国のイギリスが2021年1月29日に、英国国民海外パスポート(BNO)を持つ香港人が居住ビザを申請できるようにすることを発表しています。
ジョンソン英首相は、このルートで30万人の香港人がイギリスに移住することを期待しています。
しかし 中国外交部の趙立堅報道官は同日1月29日の記者会見で、BNOを承認しないと発表し、「中国政府はさらなる措置を取る権利を有する」と付け加えています。
中国外交部の発表直後に、米国、カナダ、ドイツ、フランス、スペイン、オーストラリア、日本、台湾が、BNOを引き続き認めることを発表し、香港人が海外で生活、勉強、仕事をするための移住を支援するための、より多くの優遇措置を提供するとしています。
台湾も香港人の移住先の選択肢の一つとなっていますが、台湾が大陸の影響を受けて、政治的に不安定になれば、台湾を離れることを考える香港人も増えると考えられます。
8月1日から施行される香港の『改正出入国管理法』では、保安局長官が出入国管理局長に、特定の人物を出国用の移動手段(航空機、船舶、鉄道など)に乗せないように指示する権限を与えています。
保安局長官が裁判所を迂回して、正当な理由なく香港人の出国を制限することが可能となっていると言えます。
香港弁護士会は、この法律により移動の自由や出国の自由など、基本的人権が制限されていると指摘していますが、中国政府に「基本的人権」を訴えても意味がありません。
香港で弾圧されている人たちが一刻も早く出国できることを願うばかりです。
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参考記事
<多維新聞>进一步协助港人移民 加拿大扩大“救生艇”计划
http*://bit.ly/3giiGtr
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