最近、多くの中国の銀行が住宅ローン融資を全面的に引き締めはじめ、中古住宅への融資も停止しています。 このような当局の動きは、不動産取引、ひいては人々の住宅所有計画に直接影響を与えると世論は考えています。
中国国内メディアの中国经济网に投稿された記事より。
「銀行が中古住宅ローンを引き締めたり、あるいは停止したりしている」というニュースが最近流れ、多くの住宅購入予定者が住宅購入計画に支障をきたすのではないかと神経質になっています。
ある不動産業者が、WeChat(Lineの様なもの)の朋友圈にスクリーンショットを投稿しました。
そこには 「重慶銀行と郵政銀行はすでに融資を停止しており、次はもっと多くの銀行が融資を停止するだろう 」と書かれていました。
安徽省合肥市の13の銀行が中古住宅ローンを停止したのに続き、蘇州、重慶、武漢など多くの都市で中古住宅ローンを全面的に引き締め、あるいは停止しています。
南京市で不動産業を営む陳さんは、銀行による住宅ローン貸出の引き締めは、継続的な住宅価格の上昇を抑制することを目的としていると語っています。
「銀行は住宅ローンの審査を厳しくしている。 政府は、住宅ローンの不動産融資比率を厳しくする方針を打ち出しているが、そのうち大手銀行の最大融資額は40%で、中小銀行はさらに少額となっているようだ。」
「銀行による住宅ローンの全面的な引き締めが、不動産市場に大きな影響を与えている。2006年以前の住宅価格は、当時の平均給与に比べればまだ妥当なものだったが、今では天文学的な価格になっています。 融資が止まれば、家は本当に不動の資産となって、大暴落してしまう」
最近、全国の多くの都市では、中古住宅用のローン枠がなくなったり、貸出実施が年明けになったりする銀行が出てきており、市場に非常に大きな影響を与えているとのことです。
今年初め、中国中央銀行と銀監会は「銀行系金融機関の不動産融資に対する集中管理システムの構築に関する通知」を発表し、住宅ローンの融資について2つのレッドラインを設定しました。
1つ目は「不動産融資比率」で、大銀行は40%以下、中堅銀行は27.5%以下、中小銀行は22.5%以下としました。
2つ目は「個人向け住宅ローン比率」で、大銀行は32.5%以下、中堅銀行は20%以下、中小銀行は17.5%以下としました。
金融学者である司令氏は、中国の銀行による住宅ローンの引き締めがもたらす影響は深刻だと考えています。
司令氏は、「中国は、中古住宅ローンに対する規制を全面的に引き締めており、特に今回の規制は、個人が中古住宅を購入する際の住宅ローンの敷居が大幅に引き上げられたことが焦点となっています。」
「当局が住宅ローンに強引に介入するのは、不動産市場を規制する手段が尽きたことを示しており、その過程で最も被害を受けたのは民間の不動産開発業者です。多くの企業は、政府が中古住宅の購入に関してこれほどまでに強引な手段を用いるとは予測していませんでした。 これにより、個人が家を買うのは難しくなりました。」と述べています。
中国では住宅の年収倍率が、北京、上海、深圳など一級都市では30倍以上になり、30年間飲まず食わずで働き続けてようやく家一見帰る計算になります。
中国政府は高騰した住宅価格を安定させようと四苦八苦していますが、一歩間違えると1990年代の日本のバブル崩壊になりかねず、ソフトランディングの道を探っていますが、ついに中古住宅ローン貸出禁止に打って出ました。
住宅価格が急落すれば、現在ローンを返済中の人は資産暴落の直撃を受け、社会不安にもなりかねません。
しかし、家を持てない若者の中には、バブルが崩壊して家の値段が暴落することを心待ちにしている人がいるのも事実です。
参考記事
<中国経済網>多地银行房贷收紧,二手房停贷?
http*://bit.ly/3zUBRBd
<百度新聞>“停贷”已蔓延至合肥!多个高价小区3个月都卖不出一套房……
http*://bit.ly/3zS1geV
<网易>正在收紧!南京多家银行二手房停贷!新房下款时间延长
http*://bit.ly/3xIY8jw
<腾讯网>房贷收紧!甚至暂停?!厦门13家银行大摸底,放款时间…
http*://bit.ly/3d8DXDG
<自由亜州電台>中国银行收紧房贷 多个城市停止二手房贷
http*://bit.ly/3xP3r0O