オーストラリアと中国との関係はここ数十年で最も悪化しており、オーストラリア政府は中国政府による「経済的迫害」についてすでに2件の訴状をWTOに提出しています。今、中国はお返しにオーストラリアをWTOに提訴しました。
中国商務部は6月24日に、オーストラリアが3つの中国製品に対して行ったアンチダンピング関税および相殺関税措置について、世界貿易機関(WTO)に提訴したことを発表しました。
この動きは、オーストラリアがWTOに中国を提訴したことに対抗するための、明らかなカウンターパンチだとみなされています。
中国は、オーストラリアが風力発電用タワー、鉄道用車輪、ステンレス製流し台にかけた輸入関税についてWTOに提訴しました。
オーストラリアと中国との対立は、2020年(昨年)5月18日の世界保健総会(WHA)で、オーストラリアが提案した新型コロナウイルスの起源をめぐる独立調査が可決されたことに端を発します。
このことに激怒した中国共産党が牛肉の輸入禁止、大麦への関税上乗せを決定したのを皮切りに、ワインやラム肉、木材などオーストラリア製品を輸入禁止や高関税を課してきました。特にワインへの関税は212%もの高税率です。
オーストラリアは昨年12月に大麦への関税について、今年6月にはワインへの関税について中国をWTOni提訴しています。
オーストラリアが3つの中国製品に関税をかけたのは、2014年風力発電用タワー10.9%、2015年鉄道用車輪17.4%、2019年ステンレス製流し台最大60.2%でした。
しかしこの時には中国は何のコメントも出さず、今になってWTOに提訴すると言い出したのは、オーストラリアの提訴に対する報復であることは明白です。
オーストラリアのワインは従来、中国が最大の輸出先となっていましたが、関税適用後には出荷額が50分の1以下に激減しています。
オーストラリアは牛肉、大麦、ワインなど食料品に加えて、鉄鉱石、石炭などの資源など、総額4,927億豪ドル(約41兆4千億円)を輸出していますが、その34%が中国向けと中国頼りの経済構造になっています。
中国はオーストラリアに対する経済的優位を利用して、高額関税や輸入禁止、果ては留学や観光旅行の禁止など、あの手この手で嫌がらせを続けています。
オーストラリアは、台湾とFTA締結を検討するなど、中国以外の輸出先を開拓したり、2020年12月には外交関係法を成立させて、州や公立大学と外国との間の協定を審査する連邦政府外務大臣の権限を拡大し、ビクトリア州政府と中国側との間で2018年と19年に締結された「一帯一路」に関する2つの覚書と関連する枠組み合意を取り消すなど、対抗策も進めています。
日本もオーストラリアに負けず劣らず、中国に頼り切った企業や有力者が多く存在し、U社、P社、2FさんやY口さんなど中国政府から見捨てられたら生きていけない人達がいっぱいです。
このような媚中派に身を鎮めるのは自殺行為でしかありません。日本ももっと力をつけて、中国とは属国関係ではなく対等の友好関係を築きたいものです。
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参考記事
http*://bit.ly/3wY7h7Q
http*://bit.ly/2Sr3zEC
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