台湾は22日にCPTPP(包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ)への参加申請を正式に提出したと発表しました。中国メディアは、「中国政府が先週CPTPP加入申請をしたため、『台湾地区』当局が早急な対応を迫られたため」と報じています。
CPTTPは、かつてはTPP(環太平洋パートナーシップ)と呼ばれ、12カ国で協定締結の協議がなされていましたが、トランプ前大統領が撤退を決めた後は、日本が主導して11カ国で協議を進め、CPTPPと改名して2018年3月9日に署名、12月30日発効しました。
加盟手続きによると、加盟を希望する国や地域は、CPTPP預託機関であるニュージーランドに加盟の申請を通知し、執行委員会は合理的な期間内に加盟手続きを開始するかどうかを決定しなければなりません。
先週16日に中国政府が、CPTPP加入を申請したのに続き、22日には台湾がCPTPP加入を申請しました。
環球時報の記事は、台湾最大野党の国民党の曾銘宗議員が、台湾の申請が中国の申請よりも遅れたことで、台湾がCPTPPに加盟できるかどうかを疑問視していることを伝えました。
さらに環球時報は、台湾の第3の政治勢力と言われる台湾民衆党の張其禄議員が、「台湾のCPTPP加盟には、日本の核汚染食材(福島産食材)が輸入できるかどうかの問題が含まれている」と指摘したと報じました。
CPTPPの議長国は輪番制で、今年は日本ですが、来年はシンガポールが議長になります。シンガポールは親中国なので、日本が議長国のうちに加盟手続き開始を決定して欲しいのが、蔡英文政権の希望です。
環球時報は日本の反応として、日本政府内でも見解が分かれていると伝えています。
茂木敏充外相は、「台湾は『民主主義』と『法の支配』に従っており、台湾のCPTRR加盟申請を歓迎したい」と述べたことが報じられています。
同時に、日本政府の国際通商政策担当者が、「日本と台湾との間で自由貿易協定(FTA)が締結されていないこと、協定締結の協議が行われたことがないことから、CPTPPへの参加の可能性は評できない」と語ったと紹介していました。
CPTPPへの加盟には全加盟国の全会一致が必要であり、中国と台湾のどちらかがCPTPPに加盟すると、もう一方の加盟は難しくなると見られています。
世界貿易機関(WTO)に中国と台湾が、ほぼ同時期に加盟していますが、台湾は地域だという扱いでした。当時は中国の国力が小さかったため、中国の強い主張もありませんでした。
習近平政権は、「中国は一つ、台湾は中国の不可分の領土」と主張しており、同時加入を認めない姿勢を示しています。
環球時報は、台湾は米中対立の最前線であり、CPTPPはその重要なステージであると指摘し、経済的な観点だけでなく、安全保障の観点からも検討する必要があるため、外交的なやりとりはますます激しくなるだろうと報じています。
中国のCPTPP加入には、シンガポールとマレーシアは熱烈歓迎で、ベトナムも歓迎の意向と伝えられています。
中国に正当な理由なくワインや大麦など、輸入禁止にされているオーストラリアは、普通に考えれば反対すると思われますが、中国の手練手管にかかってはどうなるかわかりません。
実は中国はCPTPPに加入したいのではなく、台湾の加入を阻止するために、台湾に先立って加入申請したとみる識者もいます。
環球時報の落ち着いた客観的な報道を見ると、その可能性もあるのかなとも思えてきます。いつもなら、『武力侵攻辞さず』程度の脅し文句が紙面を飾るはずです。
いずれにしても、議長国日本の外交手腕が問われます。環球時報は日本が『踏み絵』を踏まされたと表現してますが。
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参考記事
<環球網>日媒:台湾地区申请加入CPTPP给成员国出“难题”,逼迫他们“站队”
http*://bit.ly/3nZ2dhT
<環球網>台湾申请加入CPTPP,台媒:若仍以“抗中”政治视角解读大陆申请,可能误判情势
http*://bit.ly/3o0lH5B