中国国家統計局が発表した「中国統計年鑑2021」によると、全31省の農村部の男女比は「女性よりも男性の方が多い」とのことです。有識者たちは、長年の一人っ子政策と、娘よりも息子を優先するという農村部の伝統的な概念が、男女比の不均衡の主な原因であると考えています。
米国営メディアの自由亜州電台の記事より。
中国の農村部における若者の結婚事情は以前から注目されており、「農村部では適齢期を過ぎた男性の結婚が難しい」という問題がたびたび問題となっています。
中国統計年鑑2021を見ると、各省の田舎の性比は女性を100とする指数で、男性の方が女性よりも多いことがわかります。
北京120.21、山西省110.07、内モンゴル112.26、上海130.93、浙江省110.82、福建省110.94、江西省110.04、湖北省111.34、広東省111.36 広西チワン族自治区111.83、海南チワン族自治区116.52、重慶チワン族自治区111.89、雲南チワン族自治区111.52、寧夏チワン族自治区110.19。
中国国家統計局が発表したデータによると、31省の農村部で男性が女性より多く、そのうち14省は110より大きくなっています。
男女差別に関心を持つ中国の市民社会団体「北京益仁平中心」の創設者である陸軍氏は、男女比の不均衡は非常に深刻であり、農村部の家父長制的な考え方が原因であると指摘しています。
陸軍氏は、「国際機関が発表した報告書によると、中国の男女共同参画の順位は年々低下しており、その速度も非常に速い。 農村部では夫婦が女の子を産んだ場合は教育や雇用などの面で不利になることがあります。」と述べています。
そんな中、男の子を産むことを選ぶカップルが多く、法律では禁止されている「地下胎児鑑定」が任期だといいます。
妊娠期に胎児鑑定をし、胎児が男の子ならそのまま、女の子なら男の子を妊娠するまで中絶されていると陸軍氏は指摘しています。
中国はかつて農耕社会であり、農民が娘よりも息子を好む傾向は、長い間存在していたと言います。
共産党政権下で、都市部と農村部が二分されたことで、農村部では老後のために子供を育てようという意識が顕著になってきたと言います。
陸軍氏は、「改革開放による経済成長にもかかわらず、都市戸籍と農村戸籍の問題は根本的に解決されていません。人口の不均衡を解消し、都市と農村の垣根を完全に取り払うためには、戸籍問題を解決しなければならないことは間違いありません。」と指摘しています。
時事評論家の蔡慎坤氏によると、中国では、特に農村では、男の子を産むことが子孫繁栄と老後の生活のための主要な願望となっていたため、中国は長い歴史の中で、女性よりも男性の方が多いという男女比の不均衡があったそうです。
これに反して、都市部では男女比が逆転しており、統計年鑑によると、昨年、中国31省のうち11省で都市人口の男女比が100未満(女性=100)となり、男性よりも女性の方が多くなっています。
だからと言って、都市部の女性が農村部の男性と結婚することは稀なようです。
一昔前、日本の農村部でも嫁不足が深刻化し、高齢の独身男性が中国の農村部に嫁探しに行く、婚活ツアーが流行ったことがありますが、現代の中国では、農村部の独身男性はベトナムなど東南アジアに嫁探しに行くそうです。
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参考記事
<自由亜州電台>中国农村男多女少 数千万男子娶妻难
http*://bit.ly/3xnp3Cg
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