米国運輸省は1月21日、中国の航空会社4社が運航する中国向け米国便44便を運休させると発表しました。同日中国大使館の劉鵬宇報道官は「米国の動きは非常に理不尽であり、米国側に中国の航空会社の正常な旅客便への干渉と制限をやめるよう強く求める」と述べました。
米国ニューヨークに拠点を置き、中華人民共和国の政治ニュースを専門的に扱う中国語のニュースメディアの多維新聞の記事より。
米国運輸省は21日、中国の航空会社4社が運航する米国便44便を、1月30日から3月29日まで運休させると発表しました。
4社の航空会社とは、廈門航空、中国国際航空、中国南方航空、中国東方航空です。
中国当局は12月31日以降にユナイテッド航空20便、アメリカン航空10便、デルタ航空14便の運航を停止しており、米国の今回の処置はその報復と思われています。
中国当局の運行停止の直前には、米国からの航空便の一部の乗客から、新型コロナ感染者が確認されていました。
劉鵬宇報道官は、中国への国際旅客航空輸送に関する中国政府の方針は「中国と海外のすべての航空会社に対して平等、オープン、透明であるが、米国の動きは極めて不合理である。中国の航空会社の正常な旅客便への干渉と制限をやめるべきだ。」と米国の処置を非難しました。
米国の航空会社を代表する業界団体のアメリカ航空協会(Airlines for America)は、「米国の航空会社が中国市場で公平に扱われるようにするため、米国政府の行動を支持する。」と述べています。
米国運輸省は、フランスとドイツも同様に、中国が防疫を理由にこれらの国からの航空便を停止したことに対して、中国の航空会社の航空便を停止したと発表しました。
米国政府は、 中国がこれらの便を停止したことは「公共の利益に反しており、相応の処置が必要であった。」と述べています。
また米国政府は、中国の「米国の航空会社に対する一方的な停止処置は、両国間の二国間協定と矛盾する」とも述べています。
日本ではほとんど報じられていませんが、欧米諸国と中国との対立は航空便にも及んでいます。
欧米と中国とが離反している状況で、今こそ中国権益を拡大する絶好のチャンスと思っている財界人は多いでしょう。
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参考記事
<多維新聞>美国暂停中国航司运营的航班赴华 中国驻美大使馆回应
http*://bit.ly/3qQrQ5l
<美國之音>对中国停飞行动做出回应 美政府宣布暂停中国航空公司从美国飞往中国的44个航班
http*://bit.ly/3nRKUOZ
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