全豪オープンテニス2022では、「Where is Peng Shuai?(彭帥はどこだ?)」と書かれたTシャツを着たファンに、警備スタッフが脱ぐように求めたことで議論を呼んでいます。しかし、オーストラリアテニス協会は、元共産党高官の張高麗元副首相を性的暴行で告発した中国のテニススター彭帅の安全は依然として「最大の関心事」であると主張しています。
フランス国営ラジオ放送局のrfiの記事より。
北京冬季五輪の開催が近づくにつれ、彭帅は本当に安全で自由なのか? 北京冬季五輪作業指導者チームのリーダーだった張高麗元副首相は、開会式に登場するのだろうか?といった疑問が湧いてきます。
オーストラリアの活動家がツイッターに投稿した動画には、警備員と警察が男女2人の観客にTシャツを脱ぐよう求めている様子が映っています。
Tシャツには、前面に中国女子テニス界のスター、彭帅選手の写真、その下に「Wanted」の文字、 Tシャツの背中には「Where is Peng Shuai?(彭帥はどこだ?)」と書かれています。
The Guardian Australiaなどのメディアによると、Tシャツを没収した理由を記者団に尋ねられた警察官は、「オーストラリアテニス協会の政治的発言に対するポリシーに違反するからだ」と答えたといいます。
全豪オープンの広報担当者は、商業的または政治的なバナー、サインは禁止されているとしています。
しかし広報担当者は、「彭帅の安全は我々の最大の関心事である」とも述べています。
「我々はWTAや世界のテニス界と協力し、彭帅の状況についてより明確な情報を求め続け、彼女の幸福を確保するためにあらゆる努力をするつもりです。」
関連報道によると、全豪オープンの主要な商業スポンサーが中国の高級白酒「国窖1573」であることから、オーストラリアの運営組織は不愉快な立場に立たされているとのことです。
全豪オープンの主催者のアプローチは、国際女子テニス協会(WTA)が彭帅を守るために2022年に中国で大会を開催しないことを発表している姿勢とは全く対照的です。
WTAのサイモン会長は「利益よりも原則を優先する」と述べており、 これは、WTAが年間収入の大部分を犠牲にする覚悟があることを意味しています。
多くの有名テニスプレーヤーが彭帅の安否を心配しており、大坂なおみ選手は、WTAの事件処理を支持すると改めて表明し、「もし私だったら、私も気にかけてもらいたい」と強調しています。
女子ダブルスで2度の世界チャンピオンに輝いた彭帅は、昨年11月2日に自身の微博(Weibo)アカウントで、中国共産党常務委員で元副首相の張高麗と性交渉を強要されたことを明かす長文を公開し、すぐに削除されたが拡散され、彭帅本人は公式の場から消えてしまいました。
中国側は彭帅の事件をごまかすために「特別」な広報活動を展開し、彭帅が友人と食事をしている動画やスポーツイベントに参加している動画を発表したり、バッハIOC会長を招いて彭帅とビデオ会話をさせたりしました。
しかし、これらはすべて『見せものに過ぎない』と非難され、バッハ自身も彭帅に性的虐待について一度も質問せず、冬季五輪開催を優先するために人権無視の発言をしたと非難されることになりました。
まもなく北京冬季五輪が開幕しますが、元中国共産党常務委員で北京冬季五輪の組織責任者である張高麗元副首相に対し、中共が性的暴行容疑について調査を開始するとは考えにくいと考えられています。
張高麗元副首相が北京冬季五輪の『功労者』として開会式に登場し、党の結束を示しながら、事実上彭帅の疑惑を否定するのでしょうか?
もしそうなら、彭帅選手の運命は。。。。。
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参考記事
<rfi>澳网公开赛T恤衫事件再度引发聚焦彭帅遭遇
http*://bit.ly/32pm4yi
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