米国下院のナンシー・ペロシ議長は2月3日、米国には中国の人権侵害を非難する道義的責任があるとしながらも、北京の冬季五輪に参加する米国選手には、「冷酷な」中国政府を怒らせるリスクを冒さないよう促したと述べました。
米国ニューヨークに拠点を置き、中華人民共和国の政治ニュースを専門的に扱う多維新聞の記事より。
ペロシ下院議長は、「中国政府は冷酷だから、怒らせるようなことをしてはいけない。選手は北京にいる間は競技に集中し、公の場でコメントしないようにすべきだ。」と述べました。
米紙ワシントン・ポストは1月22日付の社説で、中国当局が冬季五輪に参加する選手たちに「黙って競技をする」よう呼びかけたと報じています。
さらに、米国下院は1月31日に、米国の五輪関係者に対し、人権に関する発言をした米国選手を、中国による報復措置から保護するための準備を行うよう求めています。
米国のコラムニスト、ジョシュ・ロギンは、数カ国の選手が北京冬季五輪開会式のボイコットをひそかに準備していることを明らかにしていましたが、実際の開会式でボイコットした選手がいたのかどうかは報道されていません。
中国共産党の英字日刊紙チャイナデイリーは、米国当局が北京冬季五輪期間中に選手に問題を起こさせる計画を立てていたことを明らかにしています。
この計画には、各国の選手が様々な理由で中国に不満を表明し、否定的な競技を行うこと、あるいは競技に参加しないことを奨励することが含まれていると指摘しています。
チャイナデイリーは、米国はこの計画に参加する選手に対して高額報酬を提供する予定だと報じ、これは米国の反中国勢力がスポーツを政治化し、北京冬季五輪を故意に妨害し、貶めた一つの例であると批判しています。
駐米中国大使館の劉鵬宇報道官は記者会見で、「五輪はスポーツの祭典であり、政治の場ではない。北京冬季五輪は五輪精神を広める場であり、政治的な干渉や操作を受けてはならない」と述べています。
さらに劉鵬宇報道官は、「『表現の自由』の名の下に、IOCの規則を無視して選手に「行動」を強制することはあってはならないことだ。米国の対中論は、米国政府と一部のメディアが長年にわたって流した中国に関する嘘に基づいている」と非難しています。
華々しく開幕した北京冬季五輪ですが、競技場の外では米中の対立が激しくなっています。
日本政府やJOCは日本の五輪関係者に対して、安全を守るためにどのような対策をとっているのでしょうか?
参考記事
<多維新聞>北京冬奥︱佩洛西吁美国运动员勿惹怒中国政府
http*://bit.ly/3J2Mx4h