中国人民銀行は昨年12月以後2ヶ月連続で金利を引き下げ、金融緩和を行いましたが、株式市場を一時的に刺激したほかは、不動産市場の反応は芳しくありませんでした。今年1月、中国の29の主要都市における住宅取引全体が、前年同月比で50%近く減少したことが明らかになりました中国経済を牽引してきた不動産市場のバブル崩壊は止まりません。
米国国営の短波ラジオメディアの自由亜州電台の記事より。
克而瑞不動産リサーチセンターが春節(2月1日)に発表した報告書によると、中国の主要29都市における全体の取引床面積は1429万平方メートルで、前年同期比46%減となりました。
北京、広州、深圳の一級都市では、合計155万平方メートルの取引が行われ、それぞれ前年同月比38%、前月比21%減少しました。
上海は唯一の例外で、単月で130万平方メートルの取引があり、前年同月比43%増で、昨年2月以来の高水準に達しています。
二級・三級都市については、取引総面積が前年同月比41%減、前月比47%減となり、取引量も右肩下がりに減少しました。
中国指数研究院のデータによると、1月の100都市の新築住宅の平均価格は1平方メートルあたり16,000元で、3ヶ月連続で前月比で価格下落となっています。 貴陽、昆明、北海、ハルビン、南寧、南昌、煙台など13都市では、新築、中古ともに3カ月連続で価格が下落しました。
「第一に、価格が高く、供給が巨大であり、第二に今の経済環境全体が悪く、多くの人々が就職難です。政府の政策が何度も変わり、以前は住宅ローンの引き締め、今年は融資の刺激と、生活環境を改善したい人は不動産価格の下落を待ってから住宅を購入するようになっています。」と指摘する識者もいます。
エコノミストは、「中国の不動産市場の低迷は今年も続くだろう」と述べています。
現在、多くの住宅が住むためではなく、投機用に取引されていますが、中国政府は『住宅は投機用ではない』と強調しており、住宅取引が大量に減少している原因となっています。
投機的に取引されたこれらの住宅は、現在、政策的な裏付けを失い、短期的には逆転上昇が難しい、価格の落ち込みを招いています。
今年1月に深圳で販売された中古商業住宅はわずか1557戸、取引面積は14万7300平方メートルで、前年同月比75・04%減となったことが明らかになりました。
経済評論家の陳氏は、「昨年、中国ではさまざまな産業が衰退し、失業者が増え、人々の購買力が急速に低下したため、住宅販売の落ち込みは避けられない状況です」と述べています。
「飲食業、観光業、製造業など、一部の産業は極端な不況に陥っています。 銀行も支店を縮小し、保守的な経営をするところが多くなり経営が大変です。 また、大手不動産会社は債務危機に陥っており、それら中小の不動産会社はさらに大きな困難に直面しています。」
中国の一部の地方都市では、住宅消費を支援する政策が導入され、例えば、安徽省では住宅の頭金比率を下げるよう誘導する施策を導入しています。
かつては中国の高度経済成長を牽引した不動産市場ですが、再び経済成長の柱となることができるのでしょうか?
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参考記事
<自由亜州電台>中国大量印钞政策失效 29城市住宅成交降五成
http*://bit.ly/3utQU4p