ロシアのウクライナ侵略戦争は中国のネットでも話題になり、「ウクライナの美女が中国にやってくる」発言は、微博で多くの「👍いいね!」や反響を呼びました。しかし国際情勢に関する不適切な発言に対処するため、微博や公式メディアは理性的に話し、低俗にならないように呼びかけています。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
微博(中国版Twitter)の管理者は、「一部のネットユーザーが外国大使館の微博の下に、憎悪を伝播し、攻撃的で乱暴なコメントを投稿したことが判明し、運営は断固反対し対処した」と発表しました。
発表によると、不快なコメントや戦争を煽るような発言など622件が処理され、105件の違反アカウントが程度に応じて7日間のアクセス禁止から閉鎖に追い込まれました。
微博では特に、ごく少数のネットユーザーが、ロシアのウクライナ侵略戦争は長びいており、『難民となったウクライナ美女が中国にやってくる』といった下品で、対立を助長する不適切なコメントを投稿したと指摘し、断固として対処しています。
短編動画プラットフォーム抖音DouYin(中国版TikTok)のセキュリティセンターも合計6,400本の違反動画を処理し、1,620本の違反生配信を中断させ、該当アカウントを処分したと発表しています。
抖音DouYinは、すべてのユーザーに、コミュニティの雰囲気をきれいに保つよう呼びかけました。
微信(中国版Line)では、一部の個人ユーザーが「ウクライナに行って戦争に参加すると賞金がもらえる」といった虚偽の情報を捏造したり、「ウクライナ美人が中国に来る」といった下品で媚びた内容を掲載が、国民感情を刺激してネット空間に大きなマイナス影響を与えたことを指摘しています。
「ウクライナ美人が中国に来る」は中国国内メディアでも大きく扱われ、このような現品な投稿がサイバースペースを汚染していると指摘し、「戦争は恐怖と不安、居場所の喪失、さらには家族の崩壊をもたらすものです。 平和な時代だからこそ、戦争で苦しんでいる人の立場に立って、優しさを学ぶべき。」と指摘しています。
今回、この記事を紹介したのは、『中国人は下品な発言をする奴らだ』と言いたかったのではありません。
むしろ中国でも下品な発言でネット空間を汚す輩はいますが、記事の通り、プラットホームの運営が発言を削除したり、アカウントを停止したり、浄化作用が働いていますし、公式メディアも読者の注意を喚起して浄化作用が働いています。
翻って日本ではどうでしょうか?この記事をご存知ですか?
『キエフ滞在の慶応大生、地下駐車場に避難して涙「一睡もしてません』
あたかも戦乱に巻き込まれた可哀想な大学生、であるかのような記事になっていますが、実はこの学生は、退避勧告が出されているのを承知で、わざわざロシアの軍事侵攻前日に隣国ポーランドからキエフ入りして巻き込まれた、自業自得の愚か者であることがわかりました。
同じ日本人として、このような愚かな行為を恥ずかしく思いますし、糾弾したいと思うのですが、なぜかメディアは黙ったままです。
本人は反省の投稿をツイートしていますので、当人を責めることは控えますが、愚かな行為はもっと叩かれて良いことだと思います。
特に朝日新聞は、まるで戦乱に巻き込まれた不幸な学生であるかのような記事を書いてしまったのですから、(しかも有料で)、ことの顛末を報じ、本人に猛省を促す記事を掲載すべきではないでしょうか。
[注]朝日新聞の記事には氏名、大学名が掲載されているのですが、一応本人が反省し謝罪しているので、この記事では伏せておきます。
参考記事
<世界新聞網>调侃「乌克兰美女来中国」 官媒批低俗、网封禁大量帐号
http*://bit.ly/3thyrWy