中国人民政治協商会議全国委員の許進は、「90%以上の労働者が日常生活で英語を使っておらず、子どもの健康や成長に良い音楽やスポーツ、美術を勉強させる方が、英語学習に時間を割くことよりも努力に値する」と述べています。
米国に拠点を置き、中国、台湾、香港、マカオの政治、経済、社会、生活、金融などのニュースを世界中の華人向けに発信するメディアの世界新聞網の記事より。
中国では、英語は小学校から大学までの主要な必修科目ですが、近年、中国人民政治協商会議(CPPCC)全国委員会で、「英語教育を廃止すべきか」という問題が頻繁に登場するようになりました。
今年のCPPCC全国委員会では、CPPCC委員で九三学社中央委員でもある許進は、「90%以上の労働者が日常生活で英語を使っておらず、子どもの健康や成長に良い音楽やスポーツ、美術を勉強させる方が、英語学習に時間を割くことよりも努力に値する」と、この問題について再度指摘しました。
許進委員は、「英語は知識のツールでしかなく、一般的な需要の場合には人工知能による自動翻訳に完全に取って代わられる可能性がある。 国際化が進んでいるとはいえ、90%以上の職員が日常生活で英語を使っていない。」と述べています。
許進委員は、「なぜ、人は道具の知識を得るために、これほどまでに時間をかけなければならないのか」と疑問を抱き、 「この時間を使って、音楽やスポーツ、美術など、健全な成長のために良いことを学ばせた方が良いのではないか」と提案したのです。
許進委員は昨年のCPPCC全国委員会でも同様の提案をしています。
許進委員は、「義務教育段階(通常9年間)では、英語などの外国語科目を国語や数学と並ぶ主要科目として設定せず、大学入試で英語(または外国語)を必須科目としないこと、義務教育段階の学生が非公式の外国語試験を受けることを禁止すべき」と指摘しています。
同様の提案は、全国人民代表大会副議長で中国友華教育集団の董事長である李光宇氏が2017年に提案しており、それ以前の2013年には、元教育部報道官で言語出版社社長の王旭明氏も「小学校の英語授業を廃止し子供を解放して中国語を救おう」と呼びかけています。
「英語教育を廃止しよう」という提案に対して、ネット上では「中学数学だって90%以上は将来の仕事に使えないのに、いまだに数学が主要教科じゃないか」とか「文献も読めないのに科学研究や技術開発ができるのか?」と言った疑問の声が挙がっていました。
また「文法や小論文を知るより、日常的な言葉を多く知っている方が実用的だ」と、英語教育の中身を批判する声もありました。
北京大学光華管理学院の梁建章教授は、英語に対する要求が異なる業界も多く、高級な職種ではスタッフに英語力が要求されることもあるので、英語科目の廃止が思わぬ「副作用」をもたらすと指摘しています。
日常会話は自動翻訳機で十分との意見は、その通りだと思いますが、英語教育を廃止しろっていうのは極論だと思います。
皆さんの意見はどうですか?
参考記事
<世界新聞網>中国全国政协委员:90%人用不着 学英语不如学音体美