最近、米国の台湾関係の動きが活発になり、それに呼応して人民解放軍も台湾南西部空域への飛行の頻度を高めています。4月に入って、人民解放軍軍機は連日で台湾南西部空域に侵入しています。
米国ニューヨークに拠点を置き、中華人民共和国の政治ニュースを専門的に扱っている多維新聞の記事より。
台湾メディア「自由時報」が報じたところによると、人民解放軍軍機が15日に2回、台湾南西部空域に侵入し、台湾空軍が「無線警告で追い払った」と報じました。 また、その際に米軍機が通り過ぎたと言います。
人民解放軍軍機は15日10時と10時9分に台湾の「防空識別圏(ADIZ)」(南西空域)に入り、 台湾空軍は「航空警戒態勢に入り、無線警告を行った」と報じられています。
同日10時頃には、米空軍のKC-135給油機とP-8Aがバシー海峡で堂々と給油と通信を行っていました。
中国人民解放軍東部戦区の報道官である陸軍上級大佐の施毅氏は、15日に護衛艦、爆撃機、戦闘機などを配備し、東シナ海と台湾島周辺の海空域で合同戦闘準備パトロールを行い、海上突入などに関する訓練を実施したと述べました。
施毅陸軍上級大佐は、この作戦は、最近米国が台湾問題で誤ったシグナルを頻繁に発表していることを受けて組織されたものだと指摘しました。
中国外交部の趙立堅報道官も15日の記者会見で、中国は今後も国家主権と領土保全の断固とした保護に向け、強力な措置を講じると述べました。
趙立堅報道官は、中国人民解放軍の関連行動は、米国議会代表団の台湾訪問など、最近の米国の否定的行動に対する対抗措置である、とも述べています。
米国のリンゼイ・グラハム上院議員らは14日夜、台湾を訪問しました。 米国議員団の台湾訪問は、2021年11月のマーク・タカノ下院議員らの訪問以来、2度目となります。
ジョー・バイデン大統領は、3月にも米軍制服組元トップのマイケル・マレン氏と前米国務長官マイク・ポンペオ氏を相次いで台湾に訪問させています。
また、米国下院では、ナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪問すると報じられました。ペロシが新型コロナ感染症と診断され、ペロシ下院議長はアジア訪問の延期を発表しましたが、ペロシ下院議長の回復に伴い、台湾訪問の有無に再び注目が集まっています。
世間ではロシアによるウクライナ侵略戦争ばかりが大きく扱われていますが、台湾をめぐる米中の対立はホットウォー直前の様相を示しています。
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参考記事
<多維新聞>解放军军机15日两度进入台湾“空域” 巡航途中遭遇美军机
<自由時報>共機隨著美軍來 一早兩度遭我軍廣播驅離
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