ニュージーランドは、ソロモン諸島へのニュージーランド軍の駐留を、少なくとも来年5月まで延長することを発表しました。25日に両国の外相はテレビ会議で、ソロモン諸島が最近締結した中国との安全保障協定について協議し、ソロモン諸島外相は「中国がそこに軍事基地を設置することはない」と述べたとのことです。
米国国営メディアの美國之音の記事より。
ソロモン諸島は昨年発生した暴動後、治安維持のためにニュージーランド(NZ)はソロモン諸島に軍を駐留させています。これは、ソロモン諸島とNZとの安全保障協力協定に基づくものです。
NZ外務省は、25日の声明の中で、ソロモン諸島とのパートナーシップは、安全保障協力協定を通じて平和を促進するだけでなく、経済的課題、気候変動、経済発展のニーズを満たすための努力に協力するものであると述べています。
声明によると、NZのマフタ外相とソロモン諸島のマネレ外相は、テレビ会議でソロモン諸島と中国の間で最近結ばれた安全保障協定について懸念を表明し、マネレ外相がこの協定が中国の軍事基地設置につながらないとの確約したとのことです。
翌26日に、 中国の王毅外相はソロモン諸島を訪問しました。近隣の太平洋諸国が懸念する中、中国・ソロモン諸島間で4月19日に安全保障協定を締結しています。
この協定について、アメリカや豪、NZなどは中国の狙いは太平洋における軍事拠点の確保ではないかと警戒を強めています。
王毅外相は、中国に軍事基地を建設する意図はないことを強調し、協定はソロモン諸島の治安能力を高めるのが目的で、他の国と対抗するためのものではないと説明しました。
王毅外相の訪問に先立ち、太平洋地域10カ国に配布した宣言案と5年間の行動計画には、中国政府が警察、治安維持、データ通信などの分野で地域と広く深い協力関係を求めていることが示されているとのことです。
ミクロネシア連邦のパヌエロ大統領は、中国がこの地域の通信網、海洋、資源を支配しようとし、豪、NZ、日本、米国とこの地域で軍事衝突する危険性を高めているとし、中国が作成した宣言への反対を呼びかける手紙を太平洋諸国の指導者に送りました。
ソロモン諸島が中国との間で安全保障協定を結ぶだろうという警告を発したのは、ソロモン諸島に軍を駐留させているNZでした。
今年3月時点で協定文書案を入手した国際安保専門家ポーレス氏によると、中国はソロモン諸島で船舶の寄港や物資補給だけでなく、武装警官や軍の要員を配備できるようになるとのことです。
これに、米豪は騒然となり、米国は政府高官をソロモン諸島に派遣し、総選挙中であった豪では、当時野党だった労働党のアルバニージー現首相は、「モリソン政権の外交政策の大きな失敗」と酷評していました。
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中国がソロモン諸島に軍事拠点を設けると、日本の安全保障にとっても脅威になるのですが、日本のマスコミの扱いは恐ろしいほど小さく、日本政府の動きも伝わってきません。もう少し日本人も危機感を持っていいと思うのですが。
なお、ソガバレ・ソロモン諸島首相は、中国がソロモン諸島に軍事拠点を設けることはないと明言したものの、豪や米国による干渉を「無礼で侮辱的だ」と強い不快感を示しており、「中国との協定を非難する筋から、われわれは銃を持って歩き回る幼児のように扱われている。まるで『侵略』するぞと脅迫を受けているようなものだ」と激しく非難した。
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参考記事
<美國之音>新西兰宣布延长在所罗门群岛的驻军 中国外长访问南太试图扩大影响力
http*://bit.ly/3PNubsy
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