中国暦の端午の節句が6月3日に迫り、中国の市場監督管理総局は、月餅と粽子(ちまき)の包装に関する新たな規制を発表しました。 月餅と粽子の包装は3層までとし、高価な貴金属やマホガニーは梱包材として使用不可としました。
『包装に国が規制するのか』と感じる日本人は多いと思いますが、中国の過剰包装は何かと問題になっており、その中でも月餅と粽子の過剰包装の問題はかなり顕著です。
幾重にも梱包され、商品と商品の隙間が不必要に広く取られ、貴金属やマホガニー材など高価で貴重な材料をふんだんに使うなどの問題が見受けられ、 市場監督管理総局標準技術部の劉洪勝部長は、「月餅と粽子の包装要件をさらに改善し強化する必要がある」と述べています。
月餅と粽子の包装を「スリム」で「軽く」するために、市場監督管理総局は、工業情報化部などの部門と共同で、関連の標準化専門委員会と技術機関を組織して『商品の過剰包装の制限に関する要求 食品と化粧品』(GB 23350-2021)の修正第1号を策定・発表しました。
GB 23350-2021は過剰包装を抑制するための強制国家標準であり、中国において、本標準に定められている要求事項への適合は義務となります。
本標準には、食品・化粧品の包装の隙間率、包装の層数、包装コストなどの基準及び対応の計算方法や検査、判定方法などが定められています。
修正第1号の具体的な内容は、
・月餅と団子の包装の層数を最大4層から最大3層に減らす。
・包装の空隙を圧縮する
月餅の必要隙間係数を12から7に減らす。包装容積の42%削減に相当
粽子の必要隙間係数を12から5に減らす。包装容積の58%削減に相当
・包装コストの削減
販売価格100元(約1900円)以上の月餅と粽子に関しては、販売価格に対する包装費の割合を20%から15%に引き下げる。販売価格が100元を超えない月餅と粽子に関しては、包装費の割合は20%のままです。
・包装材料として貴金属やマホガニーを使用不可。
『GB 23350-2021 商品の過剰包装の制限に関する要求 食品と化粧品』は、穀物類とその加工品類、乳製品、飲用品、酒類、食用油等の計36種の食品の包装、ヘアケア、スキンケア、歯磨き等の計16種の化粧品に関する包装に適用されます。
月餅と粽子の包装についての修正第1号の施行日は、2022年8月15日です。今年の端午の節句の粽子は適用を免れましたが、中秋節(2022年は9月10日)の月餅は本標準に準拠しなくてはなりません。
市場監督管理総局食品生産部の黄敏副部長は、「次の段階として、食品の過剰包装について綿密なガバナンスを行い、食品メーカーに対して関連法規の規定を厳格に遵守し、食品産業の高品質な発展を促進するよう促す」と述べています。
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中国で仕事をしている人なら、GB規格は避けては通れない必須アイテムで、中国の国家標準規格のことで、日本のJIS規格に相当します。
国家標準規格で包装を規定し、過剰包装を制限しなければいけないことが、中国の過剰包装が行き過ぎたものなのかを物語っています。
21世紀に入ってからは過剰包装の改善が進んでいますが、元来メンツを重んじる中国の人達は、贈り物は見た目が華やかでデッカイことを尊んでいます。
贈り物に限らず、高級品とみなされる漢方薬などは、商品は手のひらに乗る程度しかないのに、上げ底容器を幾重もの緩衝材で包んで内箱に入れ、それを緩衝材で包んでスーツケース並みの大きさの外箱に入れて売っていました。
ゴミを減らし、持続可能な社会を創るためにも、標準が守られることを祈ります。
、、、、、、無理だろうなぁ(独り言)。
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参考記事
<環球網>一项新国家标准将实施 月饼和粽子包装层数不超三层
http*://bit.ly/3Ncvgsd